2009 Fiscal Year Annual Research Report
リボソーム蛋白質L-10がアンチザイムとして作動する新規ポリアミン合成制御機構
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20380054
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Research Institution | Shokei Gakuin College |
Principal Investigator |
神尾 好是 Shokei Gakuin College, 総合人間科学部, 教授 (00109175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勲 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究科, 教授 (70093052)
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Keywords | アンチザイム / リボソーム蛋白質L-10 / L10遺伝子 / ポリアミン生合成制御機構 / ペプチドグリカン結合型ポリアミン |
Research Abstract |
これまでに研究代表者は、(1)Selenomonas tuminantiumのペプチドグリカン(PG)に共有結合して存在するカダベリンが本菌の生育に必須の細胞壁構成成分であること、(2)カダベリン合成酵素LDC/ODCがリボソーム構成タンパク質L-10によりその合成が制御されていること、(3)S.ruminantiumL-10にのみ存在し、他の細菌のL10では欠損している二つの領域、A領域(K^<101>NKLD^<105>)およびB領域(G^<160>VIRNAVYVLD^<170>)両領域がLDC/ODCに対して結合活性を持ちLDC/ODC-L10複合体が本複合体を特異的に分解するATP依存性プロテアーゼの存在を明らかにした。本年度は、以下の2点を明らかにした。 (1) PG結合型カダベリンが本菌の生育に必須の細胞壁構成成分であることを分子レベルで解明した。すなわち本菌の外膜の主要タンパク質Mep45のN-末端領域に存在するSLHドメインがペリプラズム空間でカダベリンと特異的に結合して、外膜を安定化させていることを明らかにした。 (2) S.ruminantiumの染色体DNAよりLDC/ODC-L10複合体を特異的に分解するATP依存性プロテアーゼの3つの候補遺伝子のクローニングに成功した。すなわち研究代表者等とNITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)との共同研究によりS.ruminantiumの全ゲノム配列決定され、これを参考に本菌から本プロテアーゼ候補遺伝子を3遺伝子(SR1 chromosome 0011, 1824,及び1826)に絞り全てを大腸菌にクローニングした。SR1_chromosome_1826(ClpP)はATP-binding subunitに相当するClpXとhetelodimerを形成する、ATP依存的なClp proteaseである。ClpXはSR1_chromosome_1625, SR1_chromosome_0349に相当し、本菌ゲノム上にClpXに相当するORFが2つ存在することが明らかになった。
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Research Products
(7 results)