2009 Fiscal Year Annual Research Report
アロサミジン分子を基盤としたケミカルバイオロジーの新展開
Project/Area Number |
20380066
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
作田 庄平 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (80192087)
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Keywords | アロサミジン / キチナーゼ / キチナーゼ様タンパク質 / 喘息 / キチナーゼ阻害物質 / 放線菌 / Ym1 / デメチルアロサミジン |
Research Abstract |
アロサミジン(allo)は放線菌の二次代謝産物でキチナーゼ阻害活性を有する。Alloは哺乳類に対する抗喘息作用、放線菌に対するキチナーゼ生産促進作用を有することが最近明らかになった。本研究では、アロサミジン分子の作用機構をケミカルバイオロジーの手法を用いて解明することを目的とする。 デメチルアロサミジン(dma)はalloの誘導体で喘息モデルマウスに対してalloより強力な抗喘息作用を示す。Dmaとalloの活性の違いを手がかりにallo類の作用機構の解明を試みることにした。Allo類の作用分子として2種類のキチナーゼ(酸性キチナーゼ、キトトリオシダーゼ)、3種類のキチナーゼ様タンパク質(Ym1、Ym2、BRP39)の可能性が高い。喘息マウス肺胞洗浄液の分析よりYm1が喘息時に肺で多く発現することを示した。また、酸性キチナーゼ、Ym2およびBRP39をコードする遺伝子のmRNA量も喘息時に上昇することが判明した。キトトリオシダーゼの遺伝子発現量に変化は見られなかった。これら5種のタンパク質の大腸菌での発現系の構築を試みた。現在、可溶性画分に組み換え体タンパク質が得られるように発現系の最適化を行っている。今後、5種のタンパク質を調製し、alloおよびdmaとの結合の強さをそれぞれのタンパク質を用いて調べる予定である。 allo生産放線菌Streptomyces sp.AJ9463のゲノム解析を外注し、ほぼ全遺伝子の配列を含む3000個程度のコンチグが得られた。既知タンパク質とのホモロジー検索を行い、アロサミジン生合成遺伝子を含むと予想されるコンチグをいくつか選択することができた。AJ9463株のDNA断片を用いてコスミドライブラリーを構築し、異種株でalloを生産できるコスミドをスクリーニングすることにした。現在、コスミドのスクリーニングを開始しておりallo生合成遺伝子全長の取得を試みている。
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Research Products
(6 results)