2008 Fiscal Year Annual Research Report
腸管免疫制御性細胞の免疫制御機構の解明と感染予防・アレルギー抑制食品への応用
Project/Area Number |
20380074
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八村 敏志 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (40238019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 宜聖 国立感染症研究所, 免疫部, 主任研究官 (60311403)
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Keywords | 食品 / 腸管 / アレルギー / 感染症 / IgA / 経口免疫寛容 / 制御性T細胞 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
1.腸管樹状細胞の解析:CpG DNA刺激はバイエル板樹状細胞のレチノイン酸合成酵素の発現を維し、また樹状細胞-B細胞培養系で誘導されたIgA産生がレチノイン酸受容体アンタゴニストの添加で阻害された。これより、CpG刺激を受けたパイェル板樹状細胞によるIgA誘導にレチノイン酸が関与することが示唆された。 2.腸管CD3-IL-2R+細胞の解析:バイエル板CD3-IL-2R+細胞がIgM+B細胞のαGLT、αPSTの発現を誘導し、工gAへのクラススイッチ誘導機能が確認された 3.ウイルス感染モデルの作成:IgA+記憶B細胞が粘膜面に存在することを発見し、これがインフルエンザ感染防御に寄与することを朗らかにした。 4.経口免疫寛容における制御性低応答化T細胞の解析:これまで、卵白アルブミン(OVA)に特異的な1細胞抗原レセプター(TCR)を発現するトランスジェニックマウスにOVAを経口投与することにより、CD62Lhigh/intCD44intT細胞とCD62LlowCD44high T細胞群の2種類の免疫抑制能を有するT細胞群が誘導されることを明らかしている。そこで、これら2種類甲制御性T細胞を食物アレルギーモデルマウス(卵白食摂取OVA23-3マウス)に移入し、生体内での免疫・アレルギー抑制活性を検討した。その結果、CD62Lhigh/intCD44intT細胞は血中IgE抗体産生を抑制し、CD62LlowCD44highT細胞は腸炎に伴う体重減少を抑制した。これより抗原の経口摂取によって誘導されるこれら二つのT細胞群が生体内で異なる形で機能することが示された。 また、経口免疫寛容マウスのパイェル板樹状細胞をT細胞と共培養、したところ、T細胞のIL-10産生が増強された。これより経口免疫寛容において樹状細胞が、IL-10産生制御性T細胞を誘導することが示唆された
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