2008 Fiscal Year Annual Research Report
食物繊維源としてのレジスタントスターチ4:栄養・生理機能の評価と作用機構
Project/Area Number |
20380077
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
海老原 清 Ehime University, 農学部, 教授 (90036492)
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Keywords | 化学修飾デンプン / インスリン抵抗性 / 血糖値 / 消化管ホルモン / 消化性 / 難消化性炭水化物の分析 / 血漿脂質 / 糖尿病モデルマウス |
Research Abstract |
1.ヒドロキシプロピルデンプン(HPS)のインスリン抵抗性改善効果 2型糖尿病モデルマウス(KKAyマウス)を用い、HPSのインスリン抵抗性改善効果について検討した。HPS(5%,10%)摂取により耐糖能およびインスリン抵抗性改善効果は改善された。HPSの添加量の差は認められなかった(J Food sci.,73(3)H1-H8,2009)。高脂肪飼料下でもHPSに同様の効果が認められた(Nutr Res投稿中)。次に、飼料摂取量またはエネルギー摂取量を対照群と同じにしたところ、HPS摂取のインスリン 抵抗性改善効果は認められなくなった。したがって、HPSのインスリン抵抗性改善効果は飼料摂取量・摂取エネルギー量の低下が主たる要因であることが示唆された。HPS摂取による飼料摂取量低下の原因を明らかにするため、飼料摂取量をコントロールしている消化管ホルモンの一つであるグレリンの飼料摂取後の血清濃度の変動を経時的に調べたところ、HPS摂取により胃内容物湿重量は増加し、グレリン濃度は低下していた(投稿準備中)。HPSのインスリン抵抗性改善効果は、ヒドロキシプロピル化度が大きくなるにつれて強くなった。 2.ヒドロキシプロピルデンプン(HPS)中の難消化性炭水化物の定量法 化学修飾デンプンの消化性実験において、化学修飾の種類と程度により消化性の程度は異なった。しかしながら、難消化性炭水化物の測定は測定法が確立されていないので、実際にはなされていない。そこで、HPS中の難消化性炭水化物の測定法を新たに組み立て、実際に分析を行い、検討し、測定法を提案した(J Food Sci投稿中)。また、この検討の中で、化学修飾デンプン中の難消化性炭水化物の測定においては、個々の化学修飾に応じた分析法が必要であることも明らかになった。 3.化学修飾デンプンの脂質代謝に及ぼす影響 タピオカデンプン、ハイアミロースコーンデンプンにリン酸架橋、ヒドロキシプロピル化およびその両方の処理を施した化学修飾デンプン6種類を用い、血漿脂質濃度に及ぼす影響を検討した。用いた6種類の化学修飾デンプンはどれも血漿脂質濃度に影響を及ぼさなかった。
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Research Products
(3 results)