2011 Fiscal Year Annual Research Report
食物繊維としてのレジスタントスターチ4:栄養・生理機能の評価と作用機構
Project/Area Number |
20380077
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
海老原 清 愛媛大学, 農学部, 教授 (90036492)
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Keywords | 加工デンプン / 発酵性 / 呼気水素 / 消化管免疫 / 消化管ホルモン |
Research Abstract |
ヒドロキシプロピル化高アミロースデンプン、置換度を変えたヒドロキシプロピル化タピオカデンプンおよびアセチル化タピオカデンプン、アセチル化リン酸架橋タピオカデンプンについて、特に発酵性および消化管免疫の面から栄養・生理機能について検討した。 1)高アミローススターチはヒドロキシプロピル化することにより、呼気排泄水素量、盲腸内容物中の短鎖脂肪酸量は減少し、発酵性が低下した。コハク酸の量も有意に低下し、盲腸内細菌のプロフィールも相同性は20%に低下し、ヒドロキシプロピル化は腸内細菌叢に影響を与えた。回-直腸吻合ラットを用い、デンプンの見かけの消化率は有意に低下し、消化性も低下することが認められた。盲腸内容物中IgA含量も増加した。 2)通常タピオカデンプンのヒドロキシプロピル化は置換度の増加に伴い消化性は低下し、小腸および盲腸内容物中のIgA量は増加した。呼気排泄水素量は置換度に伴い増加するが、最も置換度の高いものではむしろ低下した。 3)アセチル化デンプンおよびアセチル化リン酸架橋タピオカデンプンは、糊化前には消化抵抗性を示したが、糊化により消化抵抗性は失われ、耐糖性改善効果も認められなかった。盲腸内容物中の短鎖脂肪酸量は、アセチル化およびアセチル化リン酸架橋により増加した。以上のことは、アセチル化デンプンおよびアセチル化リン酸架橋タピオカデンプンの消化性の低下は盲腸で腸内細菌によりこれらのデンプンが分解され易いことを示している。盲腸内細菌のプロフィールもアセチル化デンプンおよびアセチル化リン酸架橋による影響は認められなかった。 上記の結果は修飾様式により加工デンプンの栄養・生理効果は異なり、著しい効果を示すものがある一方、全く示さないものあった。今後は、この研究を踏まえ、実際の食生活に反映できる商品の開発が重要であり、急がれる。
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Research Products
(7 results)