2008 Fiscal Year Annual Research Report
スズメバチ類に対する生物的防除素材としてのスズメバチセンチュウの能力評価
Project/Area Number |
20380097
|
Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
小坂 肇 Forestry and Forest Products Research Institute, 九州支所, グループ長 (20343791)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐山 勝彦 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (70353711)
牧野 俊一 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 領域長 (20353849)
神崎 菜摘 独立行政法人森林総合研究所, 森林微生物研究領域, 研究員 (70435585)
|
Keywords | キイロスズメバチ / 寄生線虫 / 寄生率 |
Research Abstract |
スズメバチセンチュウの野外での寄生率を明らかにするための調査を行った。 2008年3月下旬からと4月中旬にかけて森林総合研究所北海道支所構内及び北海道農業研究センター構内で朽木内で越冬しているキイロスズメバチ女王を採集した。2008年4月下旬から同年11月中旬までは、森林総合研究所北海道支所構内にトラップ(捕獲器)を設置し、活動中のキイロスズメバチ女王を経時的に採集した。採集したキイロスズメバチ女王を解剖してスズメバチセンチュウの寄生率を調べた。 朽木から採集したキイロスズメバチ女王に対するスズメバチセンチュウの寄生率は約40%であった。トラップで採集したキイロスズメバチ女王に対する寄生率は約70%であったが、最初の個体が採集されてから1週間の寄生率は約50%であった。 スズメバチセンチュウは越冬中のキイロスズメバチ女王に感染すると推測されるため、今回採集した越冬中の女王に対する寄生率は野外での寄生率を現わしていると考えられる。スズメバチセンチュウに寄生されたキイロスズメバチ女王は不妊になるため、巣を作らずに単独で採餌を続ける。従って、トラップではスズメバチセンチュウに寄生されたキイロスズメバチ女王が選択的に捕獲され、寄生率は越冬中より高まったと考えられた。ただし、トラップを用いても採集初期はキイロスズメバチ女王の営巣前なので非選択的に女王が捕獲され、それらに対するスズメバチセンチュウの寄生率は越冬女王に対する寄生率と同程度となり、野外での寄生率を現わしていると考えられた。
|
Research Products
(3 results)
-
-
-
[Presentation] The life cycle of Sphaerularia vespae, a novel parasite of hornets2008
Author(s)
Kosaka, H., Sayama, K., Kanzaki, N., Takahashi, J., Makino, S.
Organizer
5th International Congress of Nematology
Place of Presentation
オーストラリア・ブリスベン
Year and Date
2008-07-15