2010 Fiscal Year Annual Research Report
海洋性カロテノイドの抗炎症作用をターゲットとした生活習慣病予防機能の解明
Project/Area Number |
20380117
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
細川 雅史 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (10241374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 由美子 酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (90434472)
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Keywords | カロテノイド / 抗炎症 / サイトカイン / 肥満 / 大腸癌 / マクロファージ / 脂肪組織 / 大腸組織 |
Research Abstract |
1.フコキサンチン(FX)による大腸がん抑制機構:前年度、FXの潰瘍性大腸炎および炎症を背景とした発癌モデルにおける抑制効果を報告した。本年度はその抑制能に関して詳細に解析したところ、FX投与群においてTNF-α、IL-1βに加え、NF-κB発現量の有意な減少がみられた。これらの結果から、FXはNF-κBの活性化を阻害することで炎症性サイトカインのmRNA発現を抑制し、細胞増殖やアポトーシス誘導を介して大腸がんを抑制することが推察される。 2.FXによる脂肪細胞とマクロファージの相互作用への調節機能:肥満の脂肪組織では、脂肪細胞とマクロファージのそれぞれから分泌されるTNF-αや遊離脂肪酸を介した相互作用により慢性炎症が引き起こされる。FXの生体内代謝物であるフコキサンチノールは、それぞれの細胞の炎症因子産生を抑制することで細胞間相互作用を抑制することが分かった。また、肥満の進展に伴い見られる脂肪組織へのマクロファージの浸潤も抑制された。 3.マボヤ由来粗カロテノイド(MC)による潰瘍性大腸炎抑制機構:昨年度、MCがDSSによって誘導されるマウス潰瘍性大腸炎の発症を抑制することを見出した。本年度の研究により、MCが大腸粘膜組織でのDSSによるIL-6、IL-1βおよびCOX-2のmRNA発現誘導を抑制する傾向がみられたことから、炎症性サイトカインの産生制御機能が示唆された。更に、MCは抗酸化因子の転写制御を担うNrf-2のDSSによる発現低下を抑制するとともに、HO-1mRNAの発現低下に対しても抑制効果を示した。よって、新たな分子機構として、酸化ストレス防御機構の低下抑制を介した潰瘍性大腸炎の予防機構が示唆された。 4.ホタテガイ由来ペクテノロンの炎症性サイトカイン産生制御機能:ホタテガイの卵巣より分離したアセチレンカロテノイドのペクテノロンは、LPSにより誘導されるマクロファージでのIL-6やIL-1βの過剰産生を抑制した。その作用経路として、NF-κBの活性化抑制機構に加え、AP-1の活性化を抑制する機構が推察された。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] Chemopreventive Efiects of Silymarin, a Plant Constituent, against the Carcingenicity of Dimethylhydrazine Plus Dextran Sodium Sulfate in the Colon of gpt delta Transgenic Rats2010
Author(s)
N.Toyoda-Hokaiwado, Y.Yasui, M.Muramatsu, K.Masumura, M.Takamune, M.Yamada, T.Ohta, T.Tanaka, T.Nohmi
Organizer
10th International Conference on Mechanisms of Antimutagenesis and Anticarcinogenesis
Place of Presentation
Brazil・Hotel Sofitel Jequitimar
Year and Date
20100926-20100929
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