2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20380122
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木下 政人 Kyoto University, 農学研究科, 助教 (60263125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 徹 近畿大学, 農学部, 准教授 (00298944)
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Keywords | 遺伝子導入 / 生殖細胞 / 42Sp50 / vasa / GFP / RFP / 性決定 |
Research Abstract |
『目的』本研究では、水産業上の重要魚種である、琵琶湖特産のホンモロコの生殖細胞を遺伝し導入技術を用い可視化し、本種の性分化に影響を及ぼす環境要因の同定を行い、更に、その成果を利用し雌雄の選択的な養殖技術を提供することを目的としている。平成20年度は、1)雌型生殖細胞、および、生殖細胞全般を標識化する為に必要なホンモロコ42Sp50遺伝子、および、vasa遺伝子のクローニングとそれらの発現制御領域の単離、2)我々が既に作製しているメダカに於ける上記遺伝子発現調節領域と蛍光タンパク質遺伝子を連結した人工遺伝子をホンモロコに導入し、生殖細胞可視化の予備的実験を行うことを目的とした。『結果』1)ホンモロコ42Sp50遺伝子および、その発現制御領域の単離に成功した。この発現調節領域に緑色蛍光タンパク質遺伝子(hrGFP2)、または、赤色蛍光タンパク質遺伝子(mCherry)を連結した人工遺伝子を構築した。今後、これらの遺伝子をホンモロコ受精卵にマイクロインジェクション法により導入する予定である。Vasa遺伝子については、そのcDNA部分配列の決定に成功し、現在、gene walking法により、その発現調節領域の単離を行っている。2)メダカ0142Sp50-DsRed遺伝子、および、メダカ01vas-GFPの両遺伝子混合液を乾導法により得られたホンモロコの1細胞期から4細胞期の受精卵に導入した。3日胚における両遺伝子の発現は,いずれも全身で非特異的なモザイク状発現として観察され,どちらか一方の遺伝子のみ発現している細胞も観察された。また,孵化後100日齢個体の腹腔内を検鏡することで生殖細胞のみでの両遺伝子の発現が確認された。生殖細胞における蛍光は01vas-GFPの緑色蛍光が強く,0142Sp50-DsRedの蛍光は01vas-GFPの10倍量を導入したにも関わらず比較的弱かった。
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