2010 Fiscal Year Annual Research Report
食料農業資源環境に内在するリスクとその管理に関する学際的国際共同研究
Project/Area Number |
20380126
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南石 晃明 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (40355467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木南 章 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00186305)
吉田 泰治 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80158451)
福田 晋 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (40183925)
伊東 正一 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30222425)
矢部 光保 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (20356299)
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Keywords | リスク認知 / リスクマネジメント / 情報通信技術 / 危害要因 / 食の安全確保 / 食リスク / 環境リスク / 農業リスク |
Research Abstract |
本研究では、食料・農業・資源・環境分野を対象とした「食農資環リスク学」という新たな研究分野の研究枠組みを検討すると共に、国際的視点から食料・農業・資源・環境に関わる多様なリスクに関する現地調査およびデータ解析を実施した。本年度成果は、2つに大別できる。第1は、食料・農業・環境に関わるリスクの全体像とその相互依存関係の解明である。食料の安定供給や安全性確保は、農業の主要な社会的役割であり、人類の健康と福祉の基盤でもある。しかし、気候変動、異常気象、環境汚染などの自然環境変動、さらには国際食料需給変動、貿易自由化、政策変更など社会経済環境の変動によって、農業は大きな経営環境変化に直面していることを具体的に解明した。その一方で、農業生産活動自体が自然環境汚染などの環境負荷の原因となる場合もあることを実証的に解明した。これらの成果から、食料・農業・環境に関わる諸問題の解決には、「リスク」に対する理解が不可欠であることが具体的に示された。これらの成果は、南石晃明・編著『食料・農業・環境とリスク』農林統計出版(2011年)として刊行した。第2に、農業生産を実際に行う農業経営におけるリスク・マネジメントの現状と支援手法の解明・提案を行った。農業リスク・マネジメントは、第一義的には農業経営の持続的な成長・発展のために農業経営によってなされるものである。しかし、農業リスクは、食料の安定供給や安全確保、環境保全、さらには農村における所得と雇用の確保などの現代社会における複数の主要問題に深く関係していることを実証的に解明した。また、農業経営による農業リスク、食料リスク、環境リスクのマネジメントの支援手法の提案も行った。これらの成果は、南石晃明著『農業におけるリスクと情報のマネジメント』農林統計出版(2011年)として刊行した。
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Research Products
(45 results)