2010 Fiscal Year Annual Research Report
ウマヘルペスウイルス1型レセプターの機能解析とそれを基盤とした感染予防法の検討
Project/Area Number |
20380165
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 享史 北海道大学, 人獣共通感染症リサニチセンター, 准教授 (90261338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 洋文 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (30292006)
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Keywords | ヘルペスウイルス / ウマ / ドレセプター |
Research Abstract |
ウマ脳血管内皮細胞よりクローニングしたウマヘルペスウイルス1型(EHV-1)レセプター(EHVR)の機能を解析する目的で、平成22年度は以下の実験を行った。なお、申請者らがEHVRとしてクローニングした分子A68 (DDBJ accession number AB525079)はウマ主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI遺伝子重鎖であり、本年度に論文公表したため、以下では分子名を特定して記載する。 マウスH-2プロモーターを使用したA68遺伝子導入マウスを平成21年度に作製し、平成22年度はその系統樹立を試みた。最終的に得られた1系統に関し、ヘテロ雄とヘテロ雌の交配により得られた産仔をgenotypingした結果、トランスジーン陽性個体は全てヘテロ接合体であり、ホモ接合体の作出が非常に困難であることが判明した。 6週齢のA68遺伝子導入マウス(ヘテロ個体)ならびに対照マウス(同腹のトランスジーン陰性個体)に4×10^6 PFUのEHV-1を経鼻接種し、接種後5日目、10日目の肺を病理組織学的に検索した。その結果、対照マウスに比較して、A68遺伝子導入マウスにはより重度の肺炎像が観察された。 以上に加え、ウマMHCクラスIのリガンドとなるウイルスエンベロープ蛋白を同定する目的で、細胞への感染に必須であるglycqprotein D (gD)の細胞外ドメインとヒトIgGI Fc領域との融合蛋白(gD-Ig)を作製し、解析に用いた。A68を安定性発現させたNIH3T3細胞へのEHV-1感染はgD-Igおよび抗gDポリクローナル抗体によって阻害された。また、gD-IgはA68分子に特異的に結合することが免疫沈降法により確認された。これにより、ウマMHCクラスIがEHV-1 gDをリガンドとするエントリーレセプターであることが明らかとなり、報告した。
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Research Products
(8 results)