2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20380169
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松木 直章 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (40251417)
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Keywords | 犬 / 壊死性髄膜脳炎 / パグ脳炎 / 自己抗体 / 治療選択 |
Research Abstract |
1.壊死性髄膜脳炎(NME)保因犬の同定と遺伝様式の解明:前年度のNME好発家系に加えさらに1家系を確保した。これらの家系を構成する個体についてNME発症因子である脳脊髄液中グリア線維性酸性蛋白を定量した結果、常染色体優性遺伝すると考えられた。 2.NMEの病態解明:NME症例に共通する自己抗体の標的抗原のうち、前年度のβアクチンは発症機序に直接関与せず、炎症の結果であることが確認された。新たな標的抗原としてトランスグルタミナーゼが証明された。抗トランスグルタミナーゼ抗体による星状膠細胞や神経細胞に対する傷害作用も検討した。 3.発症の危険因子に関する前方視的研究:未発症の保因犬について経時的な観察を継続したが、観察期間内に発症した個体は存在しなかった。 4.免疫抑制療法に関する前方視的研究:プレドニゾロン単独、プレドニゾロン+シクロスポリンA、プレドニゾロン+シタラビンについて前方視的に生存期間や神経症状スコアを比較したが、免疫抑制療法の選択と予後に有意な相関はなかった。
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