2011 Fiscal Year Annual Research Report
シリカセラミックスによる環境汚染物質の吸着・分解能力とその応用に関する研究
Project/Area Number |
20380181
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
宗景 志浩 高知大学, 名誉教授 (50036745)
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Keywords | 有害重金属汚染 / シリカセラミック / 吸着除去 / カラム吸着 / Langmuir isotherm / Freundlich isotherm / 天然ゼオライト / 多孔質物質 |
Research Abstract |
これまでのシリカセラミックの吸着除去に関する研究をさらに発展させ、今年度は、(1)セシュウムCsの吸着除去効果、(2)水銀Hgを吸着するシリカセラミックのさらなる活性化、(3)カラムを用いた有害金属の除去能についての実験研究を行った。 (1)数種類の乾燥土によるセシュウムCsの吸着能は0.071~0.59mg/gであった。バッチ実験の結果、高濃度のCs含有濃度では出雲土の吸着能が高く、低濃度では赤玉、シラス土が高かった。吸着能の高い土壌S5に酸化マンガンを混ぜて作成したセラミックの吸着能は0.081~2.71mg/gとなった。このセラミックのCs吸着能はpHに大きく依存しており、pH=7.3では、接触時間8時間で平衡に達した。 (2)今回開発したNa_2CO_3を1%混ぜて作成した改良セラミックはHg^<2+>の吸着能を25%まで活性化し、5%混ぜたものは吸着能を127%も高めた。また、硫酸H_2SO_4を加えた場合は、70%まで活性化した。それゆえ、この活性化法は吸着効果の高いゼオライトを主成分とするシリカセラミックの重金属吸着能の活性化にも応用できると考えられる。 (3)それぞれ有害金属に吸着力の高いセラミックを直径0.5cmのオープンカラムに15cmの長さでしっかりつめ両端をシリコンゴムで閉じた。実験室の廃液を含む有害金属を流量10ml/min、室温下で流した。 そしてカラムの前後で排水の有害金属濃度を調べた。それぞれの専用カラムに対し、有害重金属濃度は(Asカラムで33%、0.33mg/l,Cd-columnで54%、0.54mg/l、Hg-columnで62.5%、1.25mg/l、Cs-columnで85.6%、2.14mg/l)にまで減少した。 これらの実験結果より、特別の土から作成したシリカセラミックは安価で、効率の高い重金属の吸着除去に用いることができる。
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Research Products
(4 results)