2008 Fiscal Year Annual Research Report
三価の超原子価有機臭素化合物の合成とその有機合成反応の開拓
Project/Area Number |
20390005
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
落合 正仁 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50127065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 和範 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (40403696)
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Keywords | イリド / 臭素 / カルベン / シクロプロパン / C-H挿入反応 / ピリジニウム塩 / ヨウ素 |
Research Abstract |
1.プロモニウムイリドをカルベンの発生源とする炭素-炭素二重結合、不活性C-H結合への挿入反応の開発。三価の臭素置換基の高い脱離能により、ブロモニウムイリドは良好なカルベンの発生試剤となる。実際、少量の銅(II)塩存在下に加熱すると発生した銅カルベノイドがオレフィンに挿入し、シクロプロパンを生成する。ブロモニウムイリドから熱反応により発生させたカルベンのシス及びトタンス-4-オクテンへの付加反応は、立体特異的に進行し、オレフィンの立体化学が保持されたシクロプロパンが生成した。この結果は、本熱反応によりで重項カルベンが発生していることを示唆している。シクロヘキサン中でブロモニウムイリドの熱分解反応を行うと、カルベンのC-H結合への挿入反応が高収率で進行した。シクロオクタンやシクロヘプタンとの反応でも同様の結果が得られている。 2.ブロモニウムイリドをアリール化試剤として活用する反応の開発。ブロモニウムイリドにピリジンを作用させると、ピリジンのN-アリール化が進行しピリジニウム塩が生成した。このN-アリール化ではビススルホニルメタニドアニオンが脱離基として機能しており、興味深い。これは極めて異常な反応であり、ヨードニウムイリドを用いた場合には通常のイリド転移反応が専ら進行することが知られている。各種含窒素複素環化合物との反応でも、N-アリール化反応が進行した。
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Research Products
(31 results)