2009 Fiscal Year Annual Research Report
三価の超原子価有機臭素化合物の合成とその有機合成反応の開拓
Project/Area Number |
20390005
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
落合 正仁 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50127065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 和範 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (40403696)
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Keywords | ナイトレン / 臭素 / アジリジン / オレフィン / 超原子価 / イリド / ヨウ素 |
Research Abstract |
1 全く未知の化合物である超原子価イミノブロマンの合成 三価の超原子価イミノヨーダン(代表例:PhI=NTs)は、Cu錯体やRh錯体の存在下活性反応種であるナイトレノイドを容易に発生することが知られている。ナイトレノイド(ナイトレン)は炭素-炭素不飽和結合やC-H結合への挿入反応を引き起こすため、超原子価イミノヨーダンはオレフィンのアジリジン化反応やC-H結合のアミノ化反応に有効な反応剤として最近多用されている。ところが、同族である三価の超原子価イミノブロマンのケミストリーはこれまで全く検討されていなかった。不思議なことである。我々はトリフリル基を用いると超原子価イミノブロマンを合成出来ることを見出した。イミノブロマンの合成が可能であることを明らかにした最初の例である。また、その固体構造についても検討し、イレン型構造(ArBr=NTf)ではなく、イリド型構造(Br^+-N_-)であることも明らかにした。 2 超原子価イミノブロマンをナイトレン(ナイトレノイド)の発生源とする反応の開発 三価の臭素置換基の極めて高い脱離能(超脱離能)を考慮すると、超原子価トリフリルイミノブロマンの反応性は極めて高く、高価で毒性を示すことの多い重金属類を使わなくても緩和な条件下にナイトレンとして機能することが期待された。実際、超原子価イミノブロマンを用い、炭素-炭素二重結合への挿入反応(立体特異的アジリジン合成反応やアミノケトンの位置選択的合成反応)やスルフィド、ボスフィン、アミン等へのイミノ基転移反応を開発することに成功した。
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Research Products
(25 results)