2008 Fiscal Year Annual Research Report
トリアジンを基盤とする脱水縮合反応場の開拓と新技術の創成
Project/Area Number |
20390007
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
国嶋 崇隆 Kanazawa University, 薬学系, 教授 (10214975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日置 和人 神戸学院大学, 薬学部, 助教 (70268522)
北條 恵子 神戸学院大学, 薬学部, 助教 (20289028)
田中 弘之 金沢大学, 薬学系, 助教 (40378873)
盛崎 大貴 金沢大学, 薬学系, 助教 (30462740)
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Keywords | アミド / オキサゾリン / トリアジン / 脱水縮合 / トリアジノン / カルボン酸 / カリクサジン |
Research Abstract |
(1) 有機合成技術開拓の分野では以下のAからDの成果を上げ,そのうちA〜Cは学術論文に発表し,Dは学会で発表した。(A)1級アミド合成:アミドの中で窒素上に置換基を有さない単純な構造でありながら温和で優れた合成方法が知られていなかった。そこでアンモニアや塩化アンモニウム塩のメタノール溶液とトリアジン型脱水縮合剤であるDMT-MMを用いて,カルボン酸から室温下収率良く1級アミドを合成する反応を開発した。(B)オキサゾリンの簡便合成:オキサゾリンはカルボン酸の保護基や不斉リガンドとして有用であるがカルボン酸からの合成には多段階反応を要する。今回DMT-MMを用いて同一容器内で一挙にカルボン酸を対応するオキサゾリンに変換する新技術の開発に成功した。(C)本研究の主役であるトリアジン型縮合剤ならびに関連試薬の合成原料であるトリアジン化合物については,良い合成法が知られていなかったが,今回固相担持試薬を用いてこれを効率よく合成する方法を開発した。(D)界面効果に基づく超分子相互作用を利用した選択的反応:今年度はπ-π相互作用の利用に重点を置き,カルボン酸と縮合剤にそれぞれドナー性及びアクセプター性のある化合物を用いて選択的反応が進行することを明らかにした。 (2) 不斉合成技術開拓分野では,不斉アミン触媒による触媒的不斉アシル化技術の開発を目的として今年度は不斉クラウン型触媒の合成を終えた。 (3) 生体機能解析技術の開拓では以下の成果を上げた。(A)超分子化合物は生体分子のモデルとしてその機能解明に利用されている。そこでトリアジンを母核に有する新しい超分子化合物であるカリクサジンの効率的合成に成功し学術論文として発表した。その他(B)新規アフィニティーラベル化法(C)縮合反応で誘起されるリポソームの膜融合の分子機構についても次年度の研究につながる良い成果をあげた。
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Research Products
(9 results)