2008 Fiscal Year Annual Research Report
逆標的化DDSを用いたアレルギー・免疫疾患治療法の開発
Project/Area Number |
20390014
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
奥 直人 University of Shizuoka, 薬学部, 教授 (10167322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 知浩 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (00381731)
清水 広介 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (30423841)
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Keywords | 逆標的化 / DDS / リポソーム / アレルギー / 免疫疾患 / ABC現象 / 花粉症 / Cryjl |
Research Abstract |
本研究では新たなDDSの概念として、reverse targeting DDS (RT-DDS)を提唱する。RT-DDSは、薬剤キャリアを抗原で修飾することで、生体内の抗原認識細胞にキャリアを認識させ、逆標的化によって免疫細胞に薬剤を送達するという新戦略である。これにより抗原特異的に免疫反応をコントロールできる可能性があり、有用な免疫疾患治療法として期待できる。これまでモデル抗原として卵白アルブミン(OVA)を用い、OVA修飾リポソームを用いてRT-DDSの有用性を検証した。本研究ではRT-DDSの免疫疾患治療への応用をめざし、リポソームに内封する薬物として免疫抑制剤FK-506(タクロリムス)を用いた検討を行った。調製したOVA修飾FK506内封リポソーム(OVA-FK)の製剤学的安定性を評価した後、OVA感作マウスにOVA-FKを尾静脈内投与し、体内動態を検討した。その結果、OVA-FKは脾臓に多く集積すること、さらに脾臓内におけるリポソーム局在の検討から、OVA-FKがB細胞および胚中心に局在することが明らかとなった。OVA感作マウスにOVA-FKを尾静脈内投与後、OVA特異的IgGおよびIgE抗体量を測定し薬理作用を評価した。その結果、OVA-FK投与群においてOVA特異的IgGの産生が有意に抑制され、OVA特異的IgEの産生も抑制されることが明らかとなった。次に、OVA未修飾リポソームが、脾臓に胚中心様の構造を形成し共局在する可能性を見出していること、およびABC現象は脾臓摘出動物では見られないことから、抗がん剤DOX内封PEG化リボソームを用いてABC現象の詳細を検討し、ABC現象の発現にT細胞非依存的なB細胞が関与する可能性を見出した。最後にRT-DDSの評価系として、花粉症の抗原タンパク質Cryj1を用いた鼻腔内感作により、花粉症モデルマウスを作製した。
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Research Products
(6 results)