2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規脳内薬物トランスポーターの機能解析と中枢神経疾患治療への応用
Project/Area Number |
20390044
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中島 晶 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 助教 (20419237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞野 成康 東北大学, 病院, 教授 (50323035)
山口 浩明 東北大学, 病院, 助教 (80400373)
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Keywords | トランスポーター / 胆汁酸 / 黒室 |
Research Abstract |
脳機能に及ほす胆汁酸およびその輸送機構の役割を明らかにするため、新規に見出した脳黒質に局在する薬物トランスポーターSLCIOA4を取り上げ、その機能解析を行った。SLC10A4の機能解析を行うためSLC10A4発現ベクターを作製し、培養細胞(MDCKII、CHO-K1)に遺伝子導入を行うことでSLC10A4安定発現株を樹立した。樹立した発現細胞株を用いて輸送基質の探索を行った。胆汁酸、抱合ステロイド、甲状腺ホルモン、プロスタノイド、また本トランスポーターは黒質に局在することからドーパミンの取り込みを検討したところ、胆汁酸であるケノデオキシコール酸およびウルソデオキシコール酸の輸送が観察された。しかしそのコントロール細胞(エンプティベクター導入)に対する取込み比は1.3〜L8倍程度と低いものであった。この理由として発現量が低いことが考えられたため、アデノウィルス発現系の構築を行うこととした。SLCIOA4遺伝子を挿入したコスミドベクターを作製し、SLC10A4遺伝子発現ウィルスを調製した後、HepG2細胞をはじめとする数種の培養細胞に感染させて機能解析を試みた。しかしながら、ケノデオキシコール酸の取り込み比は、安定発現細胞と同程度であった。 以上の結果より、脳黒質に局在するSLC10A4は、胆汁酸の輸送に関与することが明らかとなった。本研究成果は、脳内における胆汁酸の役割・機能を解明する上で重要な手がかりになるものと考える
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Research Products
(9 results)