2008 Fiscal Year Annual Research Report
スプライシングの違いにより同一遺伝子から作られる新規代謝型受容体と分泌蛋白の解析
Project/Area Number |
20390062
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
久保 義弘 National Institute for Physiological Sciences, 分子生理研究系, 教授 (80211887)
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Keywords | 生理学 / 神経科学 / 生体分子 / 蛋白質 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
Prtt3は、リガンドが未同定のいわゆるorphan受容体で、長い細胞外領域と7つの膜貫通部位を持つfamily Cに属する代謝型受容体と考えられる。極めて特徴的なこととして、スプライシングの違いにより、上記代謝型受容体(Prrt3-Long)と、その細胞外領域のみからなる分泌蛋白(Prrt3-Short)の両方が作られることが知られている。その機能的意義にアプローチするために、まず、Prrt3-LongのN端に対する(Prrt3-Shortをも認識する)抗体N2と、C端に対する(Prrt3-Longのみを認識する)抗体C1を作成し、マウスにおけるこれらの蛋白の発現パターンを免疫組織化学的に解析した。その結果、以下のことが明らかになった。(1)Prrt3 Shortは脳室の脈絡膜上皮細胞に発現している。(2)Prrt3 Shortは、脳脊髄液中に確かに分泌されている。(3)Prrt3 Longは、小脳プルキンエ細胞の直下の層に、プルキンエ細胞を包むように発現している。Pinceauと呼ばれる、Basket細胞のプレシナプス終末であると考えられる。(4)Prrt3 Longは、心筋細胞の介在版に強く発現しており、Connexin43と共局在している。(5)Prrt3 Longは、膵臓において大小の膵管壁に発現している。(6)Prrt3 Longは、精巣において、精原細胞に発現している。現在、より詳細な解析を継続している。
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