2009 Fiscal Year Annual Research Report
スプライシングの違いにより同一遺伝子から作られる新規代謝型受容体と分泌蛋白の解析
Project/Area Number |
20390062
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
久保 義弘 National Institute for Physiological Sciences, 分子生理研究系, 教授 (80211887)
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Keywords | 生理学 / 神経科学 / 生体分子 / 蛋白質 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
(1)昨年度に引き続き免疫組織化学的解析を進め、受容体型Prrt3(Prrt3-Long)が、マウス脳の正中隆起表層にある下垂体隆起葉に強い発現していることを見いだした。下垂体隆起葉は、概日リズムの形成に重要な役割を果たすメラトニン受容体(MelR1a)が発現している場所であるため、Prrt3-Longが、MelR1aと協調して概日リズムの形成に寄与している可能性を示唆する。(2)スプライシングの違いにより同一遺伝子からつくられる、Prrt3-Longの細胞外領域のみからなる分泌蛋白をコードするPrrt3-Shortについても解析を進めた。Prrt3-Shortは脳脊髄液中に分泌されているので、その機能的意義を探るために、レコンビナントのPrrt3-Short蛋白、もしくは特異抗体をマウス脳室に注入する実験を行ったが、急性には、行動の著明な変化は見られなかったので、次のステップとして慢性投与実験を計画している。(3)Prrt3の、上述の概日リズムを含め、個体における機能的意義を明らかにするために、遺伝子破壊マウスの作成を開始した。全エクソンを破壊し代わりにlacZが入るコンストラクトを用いて相同組み替えを行ったES細胞をマウス初期胚に注入し、キメラマウスを得ることに成功した。今後、遺伝子改変ヘテロ、そしてホモマウスを得て、概日リズムを含む行動解析およびシナプス機能の電気生理学的解析を進める。
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