2010 Fiscal Year Annual Research Report
スプライシングの違いにより同一遺伝子から作られる新規代謝型受容体と分泌蛋白の解析
Project/Area Number |
20390062
|
Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
久保 義弘 生理学研究所, 分子生理研究系, 教授 (80211887)
|
Keywords | 生理学 / 神経科学 / 生体分子 / 蛋白質 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
昨年度までに、免疫組織化学的解析により、Prrt3が、メラトニン受容体が発現する下垂体隆起葉に発現していることを明らかにし、その結果から、Prrt3が、メラトニン受容体と共働して概日リズムの形成に寄与している可能性を想定した。また、Prrt3の有する、上述の概日リズム形成等の個体における機能的意義を明らかにするために、遺伝子破壊マウスの作成を開始した。全エクソンを破壊し代わりにlacZが入るコンストラクトを用いて相同組み換えを行ったES細胞をマウス初期胚に注入し、ES細胞の寄与率の高いキメラマウスを得た。今年度、キメラマウスから遺伝子破壊ヘテロマウスを得ることに無事、成功した。ヘテロマウスは、体が小さめではあるものの正常に生育した。その後、ヘテロマウス同士の交配により遺伝子破壊ホモマウスを得ることを試みたが、当初全く得られなかった。生後1週間程度で死亡する生育の悪いマウスがいることに気づき、死亡した個体のgenotypingを行ったところホモマウスが含まれていた。同腹の仔に比して母乳の摂取が下手であることによる生育不良の可能性を想定して、生後1週間前にgenotypingを行い、ホモマウスのみを残したところ、成人まで生育させることに成功した。現時点において、3匹のオスの成人の遺伝子破壊ホモマウスを得ている。次ステージの研究として、遺伝子改変ホモマウスの個体数を増やして、野生型で観察された免疫染色のシグナルが失われていることを確認して免疫染色のパターンが正しいことを最終確定し、また、概日リズムを含む行動解析およびシナプス機能の電気生理学的解析を進めることを計画している。
|