2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390095
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
蛯名 洋介 The University of Tokushima, 疾患酵素学研究センター, 教授 (00112227)
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Keywords | シグナル伝達 / BFA / GLUT4トランスロケーション / ARF / BIG2 |
Research Abstract |
インスリンは生体必須のホルモンであり、その作用メカニズムを解明することは極めて重要な課題である。わが国には約700万人の2型糖尿病患者がおり、4大疾患の一つに指定されている。それは標的細胞のインスリン作用不全に一つの主な原因があると考えられており、その病因の解明が緊急の課題となっている。 申請者のグループは1998年、ラット3Y1細胞はインスリン刺激でGLUT4のトランスロケーションが起こらないが、この細胞をNaFやPMAで刺激するとGLUT4のトランスロケーションが起こることから、インスリンシグナル伝達因子の何かが欠失していると予想し報告した(JBC, 1998)。この細胞ではAktの基質でありGLUT4のトランスロケーションに関与していると報告されているAS160が欠失していることを見出した。しかし、この細胞でAS160を安定に発現させても、GLUT4の細胞内局在が変化するが、インスリン刺激でトランスロケーションは引き起こされない事が判明した。 最近、申請者らは、3Y1細胞をBFA処理するとGLUT4局在膜の再編成が起こり、インスリン応答性が得られることを明らかにした。BFAはARFのguanine nucleoticle exchangeを阻害する。その一つとしてBIG2が関与している可能性が考えられた。BIG2はARF1の活性化を介してGLUT4小胞形成を促進するか否か検討した。3T3L1細胞においてBIG2のアンチセンスRNAを発現すると、インスリンによりGLUT4トランスロケーションの抑制されることが明らかとなった。BIG2はGLUT4のトランスロケーションに関与していると考えられた。
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Research Products
(5 results)