2008 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞-非心筋細胞間ギャップ結合の致死性不整脈発生における役割
Project/Area Number |
20390115
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高松 哲郎 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 教授 (40154900)
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Keywords | 急性心筋梗塞 / 致死的心室性不整脈 / 心筋細胞 / 筋線維芽細胞 / ギャップ結合 / 興奮伝播 / スパイラル波 |
Research Abstract |
急性心筋梗塞おける致死的心室性不整脈発生の解剖学的基質解明のため以下の実験を行った。 1.ラット心筋梗塞境界部における心筋細胞・非心筋細胞間のギャップ結合の解析 雄ラットの左冠動脈を結紮し心筋梗塞を作製、結紮後5日目,25日目の心臓を固定後凍結切片を作成し、心筋細胞を抗sarcomericα-actinin抗体で、非心筋細胞を抗vimentin抗体で同定、ギャップ結合は、コネキシン(Cx)43,Cx40,Cx45の何れかの抗体で3重染色した。共焦点レーザ顕微鏡にて3次元画像を取得、3次元デコンボリューションし、心筋細胞-非心筋細胞間におけるギャップ結合の局在を詳細に検討した。その結果、結紮後5日目の梗塞境界部に残存心筋組織において、Cx43の発現を心筋細胞-非心筋細胞間に認めた。これらの非心筋細胞の多くはα-smooth muscle actinを発現しており筋線維芽細胞と考えた。Cx40やCx45の発現は認めなかった。 2.心筋-心筋細胞の培養モデルを用いたギャップ結合の興奮伝播の解析 新生仔ラット心からコラゲナーゼにより心筋細胞を単離した。単離にはpreplate法による非心筋細胞の除去(通常2回)を施行した。単離心筋細胞(約10^6個)を35mmコラーゲン塗布培養皿に4日間培養し、カルシウム蛍光指示薬を負荷した後マクロ蛍光顕微鏡にて心筋のカルシウムトランジェントを捉えた。この心筋細胞群に1Hz〜9Hzの通電刺激によって刺激部位から放射状に均一な興奮伝播することを確認した。さらにドミナントネガティブCx43遺伝子をアデノウイルスのベクターを用いて導入した単離心筋細胞群を対象に同様の通電刺激を行うと、興奮伝導が不均一化し伝導のスパイラル波が生じることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)