2012 Fiscal Year Annual Research Report
裁定委員会に高度病原体の新分類法を提案するための根拠とする遺伝情報の収集
Project/Area Number |
20390124
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
江崎 孝行 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90151977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大楠 清文 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40362173)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 系統分類 / 菌種の定義 / 遺伝子多型 / リボソームタンパク / 全ゲノム / 高度病原体 / 属の定義 / 腸内細菌科 |
Research Abstract |
全ゲノム情報から病原細菌の種の分類に有効な遺伝情報の構築を行った。指標に使用した腸内細菌科には50属230菌種が分類されており、高度人病原体、植物・動物病原体等、幅広い分野の微生物学に影響を与える属・菌種が含まれている。本研究では歴史的に最も古くから利用され、最新のゲノム情報も多く蓄積されているEscherichia属、Salmonella 属と、この両属に近縁であるCitrobacter属の菌種に着目し、全ゲノム配列を決定し、種の分類に有効な情報を解析対象とした。また、これらの菌種と16SrRNAによる系統が最も遠いYersinia属を選択し、腸内細菌科の分類体系の妥当性を検証した。全ゲノム情報から腸内細菌科の菌種が共通に保有している2000種類の遺伝子を一次比較の対象に選択し、さらに不安定で株による欠損がある遺伝子、糖類の合成遺伝子等を除外し、最終的に400種類の遺伝子を最終比較対象遺伝子として選択した。これらの遺伝子にはリボソームタンパク、DNA/RNAの複製・修飾、リボソームでのゲノムの翻訳・タンパク合成に関与する51個のリボソームタンパク、膜へのタンパクの輸送に関与するチャペロン分子、細胞壁の合成に関与する遺伝子群、T-RNA合成遺伝子群が集約されていた。これらの遺伝子の多型を解析し、16S rRNAによる腸内細菌科の菌種の分類体系の妥当性を検証した。 その結果51種類のリボソームタンパクによる系統樹が高いブートストラップ値で属の分類に有効であり、種の識別にはHKGで多型の大きいトップ15遺伝子のアミノ酸比較が高い識別能力を示していた。人高度病原体はこの分類基準を適用すれば、菌種内の特定の株として位置図ずけるべきであると結論した。本研究成果は新分類体系を変更すための根拠とするゲノム情報として有効で、今後は国際微生物連盟の裁定委員会へ分類体系の変更を提案する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)