2010 Fiscal Year Annual Research Report
shRNAライブラリーを用いたジフテリア毒素毒性発現に関与する宿主因子の解析
Project/Area Number |
20390127
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
目加田 英輔 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20135742)
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Keywords | ジフテリア毒素 / shRNA / エンドサイトーシス / 宿主因子 / 網羅的遺伝子同定法 |
Research Abstract |
本研究は、ジフテリア毒素の毒性発現に関わる宿主側因子を明らかにし、ジフテリア毒素の細胞内侵入機構と毒性発現のメカニズムを解明することである。ジフテリア毒素の毒性発現に関わる宿主側因子を明らかにするために、ジフテリア毒素感受性に関与する遺伝子をshRNAライブラリーを周いた網羅的遺伝子同定法で探索した。その結果既知の遺伝子を含む11個の遺伝子(HB-EGF, CLTC, WEIL1, ARL1, SEC14L2, HSPA1B, PDIA5, DNAJB6, DHCR7, NSDHL, DPH1)を同定した。上記の遺伝子の中でHB-EGFはジフテリア毒素受容体、DPH1はEF2のHis残基をジフタマイドに修飾するために必要な酵素、として知られており、これらの遺伝子が本スクリーニングでピックアップされたことから本スクリーニング法が確かに機能することが示された。上記の中でコレステロール合成に関わる重要な遺伝子2種類がピックアップされたことから、コレステロールとジフテリア毒素の細胞内侵入機構との関連を解析し、コレステロールがジフテリア毒素の細胞内侵入に必須であること、コレステロールを膜から引き抜く作用があるMBCDがジフテリア毒素の毒性を阻害する作用があることを明らかにした。ピックアップされたシャペロン遺伝子については、その後解析が十分に進まず、これらの因子がジフテリア毒素の細胞内侵入に関連するか否かの結論が出ていない状況にあり、今後の課題である。
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