2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390162
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
池田 和隆 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員(分子精神医学研究ディレクター) (60281656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽良 一郎 東北大学, 医学(系)研究科, 教授 (40322713)
西澤 大輔 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (80450584)
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Keywords | 薬剤反応性 / ゲノム / 薬理学 / 脳神経疾患 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
本研究では、麻薬鎮痛薬感受性個人差の遺伝子メカニズムの解明を目的としている。平成20年度は、3年計画の1年目として、健常者での麻薬感受性に関する表現型データとゲノムDNAのセットを200例以上収集し、網羅的遺伝子多型解析を行った。噛み合わせの問題の解消のためや美容の目的で下顎の骨を切り詰める手術がある。この手術を受ける人は術前には痛みを持たない健常者である。連携研究者の福田は、この手術を受ける人を被験者とすることで、通常は倫理的に許されない健常者での麻薬感受性の測定を行った。手術導入時の麻薬鎮痛薬(フェンタニル)の投与前後でコールド・プレッサー試験という冷水痛み試験を行い、痛みを感じるまでの時間の延長をフェンタニル鎮痛効果とした。また、骨切りは画一的な強い痛みを生じるが、その痛みに対してPCAポンプ(患者が自身で鎮痛薬を投与できる装置)を用いてフェンタニルを投与して除痛を行い、患者ごとのフェンタニル必要量を測定した。これらの工夫により、ヒトデータとしてはまれに見る統制の取れたデータが得られた。一方、網羅的遺伝子多型解析は、約100サンプルに関しては約30万遺伝子多型について連携研究者の有波が所有する設備を用いて行ったが、平成20年10月に研究代表者の池田の所属機関にも設備が整備されたので、残りの約100サンプルに関しては約100万遺伝子多型について新たな設備で行った。膨大なデータが得られているので、正確かつ迅速に統計学的解析を行えるように、データの加工を進めている。また、アルコール依存400例および覚せい剤依存200例は連携研究者を介してサンプルを入手済みであるが、新たに浜松医大の椙村教授からニコチン依存1000例のサンプルの提供を受けることができた。したがって、当初の予定を上回り順調に研究が進行している。
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Research Products
(51 results)