2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390200
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
臼田 信光 Fujita Health University, 医学部, 教授 (30135123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 敏 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (50340229)
永津 俊治 藤田保健衛生大学, 医学部, 名誉教授 (40064802)
村上 和雄 国際科学振興財団, バイオ研究所, 研究所長 (70110517)
中井 さち子 藤田保健衛生大学, 医学部, 研究員 (30257836)
渡 仲三 藤田保健衛生大学, 医学部, 客員教授 (40079976)
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Keywords | 東洋医学 / 施灸の脳科学 |
Research Abstract |
【目的】施灸による脳の初期効果に物質レベルで客観的指標を樹立し、脳内情報処理機構を解明する。経験的に施灸が有効であると知られる慢性疾患における、施灸に対する脳の反応特性を明らかにする。 【実験方法】本年度は,糖尿病モデルと正常動物を主な対象として研究を行った。計画した質量分析およびDNAマイクロアレイについては、その準備を行った。本年度に実行できた主な解析方法は、以下の3つである。 1)中枢反応の解明:マイクロダイアリシスおよび条件性場所選好試験(CPP)を行う。マイクロダイアリシスでは、特に腹側線条体におけるドーパミン分泌について検討した。CPPでは、施灸および丈の煙による報酬特性について検討した。 2)末梢反応の解析:体温・心電図テレメーターを用いて、自律神経系の関与の仕方を測定する。心電図テレメトリーでは、周波数解析を行い、交感神経系および副交感神経系に対する施灸の効果を調べた。 3)行動試験:脳の反応の総括的表現としての行動を測定する。Open field試験を中心に、施灸および艾の煙が動物の活動量に及ぼす効果を検索した。 【結果】得られた主な成果は、以下の2点であり、論文として投稿準備中である。 (1)マイクロダイアリシス実験:灸により、大脳基底膜(背側および腹側線条体)において神経伝達物質(ドーパミン)の分泌が引き起こされる。 (2)体温に関するテレメーター実験:灸により、体温の上昇が引き起こされる。 【意義と重要性】ドーパミンの分泌から、施灸により脳の基本機能を制御できる可能性が示唆された。特に、ヒトにおける様々なドーパミン調節障害を伴う疾患の治療に応用できると期待される。
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Research Products
(14 results)