2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクター胃炎形成におけるパイエル板を介した宿主免疫応答とその制御機構の解析
Project/Area Number |
20390207
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡部 則彦 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (50419446)
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Keywords | 内科学 / 免疫学 / 細胞・組織 / 生体分子 / 感染症 |
Research Abstract |
ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori : HP)感染における宿所免疫応答と胃炎形成機構の解明のために,HPによるTSLP発現誘導に着目し解析を行った。免疫組織染色にて、濾胞性胃炎粘膜上皮にTSLPが発現し、活性化樹状細胞(DC)が周囲に局在していることが明らかとなり、TSLPによる粘膜局所でのDC活性化が示唆された。一方、胃上皮細胞株MKN28,MKN45,MKN74にて、HP感染にてTSLP発現が誘導され、HP菌体150-200個が1細胞株に接着できる条件下で最も強く見られること、HP感染後12時間で誘導され、36時間後もその発現が持続していることを見いだした。HPと胃粘膜上皮細胞の直接的な接触がない条件では上皮でTSLPの発現が誘導されず、またサイトトキシン関連遺伝子産物CagAを欠損したHPと野生型HPを比較すると、CagAの欠損で発現誘導が抑制された。これらのことから、HPの胃粘膜上皮細胞への直接接着による上皮細胞内へのCagA分子の挿入により、上皮でのTSLPの発現誘導が生じることが示唆された。また、HP感染胃粘膜上皮細胞から、DCを粘膜局所に誘導するケモカインMIP-3αとともに、B細胞活性化因子BAFFが発現誘導されることを見いだした。さらに、ヒト末梢血からTSLP受容体を高発現した骨髄系未熟DCを精製し、TSLPを含むHP感染粘膜上皮細胞株の上澄を用いて培養すると活性化DCに分化誘導されること、精製した同種naive CD4T細胞を、TSLPを含む上記上澄にて活性化したDCと共培養すると、増殖CD4T細胞は、IFN-γ産生細胞とともに、IL-4やIL-13を産生する細胞にも分化誘導されることがフローサイトメトリー解析から明らかとなった。
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[Journal Article] Analysis of humoral immune response in experimental autoimmune pancreatitis inmice2010
Author(s)
Asada M, Nishio A, Akamatsu T, Tanaka J, Saga K, Kido M, Watanabe N, Uchida K, Fukui T, Okazaki K, Chiba T
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Journal Title
Pancreas 39
Pages: 224-231
Peer Reviewed
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