2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390216
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
倉林 正彦 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 教授 (00215047)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 昌史 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60270857)
|
Keywords | 動脈硬化 / 転写因子 / 血管生物学 / 遺伝子 / 糖尿病 / 慢性腎臓病 / Notchシグナル / 骨形成 |
Research Abstract |
動脈硬化の発症・進展には動脈壁の炎症反応が重要な役割をもっ。Receptor for advanced glycation end products(RAGE)とその内因性リガンドであるHMGB1は、生体内の様々な炎症反応に関与するといわれ、血管傷害部位においてもその発現が増加する。一方、血管平滑筋細胞の脱分化は動脈硬化病変の形成に重要な役割を果たしていることが知られているが、そのメカニズムは十分には解明されていない。そこで、私たちは培養ヒト大動脈平滑筋細胞(HASMC)を用いてRAGEとHMGB1が血管平滑筋細胞の脱分化を誘導するか否かを検討した。アデノウイルス用いてRAGEをHASMCに導入し、血管平滑筋細胞の最終分化マーカーである平滑筋ミオシン重鎖(MHC)遺伝子の発現をRT-PCR法で検討した。RAGEの過剰発現によってMHC遣伝子の発現は抑制され、HMGB1を添加することによって追加するとMHC遺伝子発現はさらに抑制された。興味深いことにRAGEの過剰発現は内因性RAGE遺伝子の発現を増加し、また、HMGB1の添加はそれをさらに増加させた。これは動脈硬化病変における炎症のポジティブフィードバックの可能性を示している。また、強力な血管平滑筋細胞の分化誘導因子であるmyocardinは、MHC遺伝子プロモーターの活性を強力に誘導しRAGE過剰発現はその転写活性化を用量依存的に抑制した。HMGB1追加はさらにその抑制を増強した。以上より、HMGB1/RAGEは血管平滑筋細胞の分化を抑制し、その機序の少なくとも1つにはRAGEによるmyocardinの機能抑制が重要であることが考えられた。
|
Research Products
(3 results)