2008 Fiscal Year Annual Research Report
心筋胎児型イオンチャンネルの発現制御機構と新規心不全治療標的としての意義の解明
Project/Area Number |
20390224
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桑原 宏一郎 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (30402887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 政男 京都大学, 医学研究科, 助教 (10302605)
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Keywords | イオンチヤンネル / 心不全 / 転写調節 / 不整脈 |
Research Abstract |
本研究では不全心におけるイオンチャンネル遺伝子発現変化にかかわるストレス応答経路の分子機序と、これらイオンチャンネルの心不全・突然死の発症・進展における役割を明らかにし、新たな心不全治療標的の同定と治療法の開発を目指している。本年度は以下の研究を行なった。(1)HCN2&4、CACNA1HおよびTRPC6遺伝子のプロモーター解析:現在までにHCN4、およびTRPC6遺伝子のプロモーター解析を行い、HCN4遺伝子の心筋発現に重要な領域を同定した。またTRPC6に関してもその遺伝子の上流にすでに報告したNFAT結合部位の他にSRFおよびNRSF結合部位を見出し、SRFがTRPC6の心血管系細胞における発現に関与している可能性を示唆する結果を得ている。(2)胎児型イオンチャンネルトランスジェニックマウスの作製・解析:本年度はHCN4心筋特異的トランスジェニックマウスの作製に成功した。次年度以降その表現形を解析していく予定である。また上記HCN4の心筋特異性にかかわる領域をlacZ遺伝子上流に挿入したレポーター遺伝子を作製し、トランスジェニックマウスを作製した。(3)胎児型イオンチャンネルの心肥大・心不全治療標的としての可能性の検討:心不全・突然死モデルマウスdominant-negative NRSF TgマウスにT型カルシウムチャネル阻害薬の投与を行なった結果、このマウスの死亡率および不整脈発生が有意に減少し、T型カルシウムチャンネルブロッカーの心不全・突然死予防薬としての可能性を示唆した。(4)NRSFの機能修飾機序の解明:胎児型イオンチャネル発現制御因子NRSFの機能調節機序を探るために、Yeast two-hybrid screeningを行ない、複数のポジティブクローンを得、現在解析中である。またNRSF転写抑制能を指標としたHTSによる低分子化合物スクリーニングも開始した。
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