2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄由来fibrocyteの遊走阻害:PDGFの役割と肺線維症治療への展開
Project/Area Number |
20390231
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西岡 安彦 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (70274199)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿内 聡司 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50380100)
青野 純典 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50398004)
|
Keywords | 肺腺維症 / fibrocyte / PDGF / PDGFレセプター / イマチニブ |
Research Abstract |
本年度の研究計画に沿って研究を行い以下の成績を得た。まずマウスfibrocyteにおけるPDGFレセプター発現を検討した。マウス肺のトリプシン処理によって作成した浮遊細胞分画をフィブロネクチンコートした培養皿で7日間培養しだ後向収した付着細胞分画から、さらにCD45マイクロビーズを用いてCD45陽性細胞を純化し、fibrocyteとして使用した。フローサイトメトリーによる解析から、これらの細胞にはfibrocyteのマーカーであるCXCR4およびコラーゲンIが発現していることを確認した。一方これらのマウスfibrocyteには、フローサイトメトリー法およびRT-PCR法によりPDGFレセプターのαおよびβが発現していることを確認した。さらにPDGF刺激による遊走をボイデンチャンバー法を用いて検討した。その結果、マウスfibrocyteはPDGFに反応して遊走活性を示すことが確認された。そこで、マウスブレオマイシン肺線維症モデルを用いて、マウス線維化肺におけるfibrocyteの動向を検討した。その結果、CXCR4陽性fibrocyteは、ブレオマイシン投与後3日目から増加し始め、7〜10日目にピークとなり、その後減少していくことが明らかとなった。さらに、ブレオマイシン肺線維症モデルに対して、PDGFレセプターの阻害剤であるイマチニブを投与することによって、7〜10日目のfibrocyteの増加が有意に抑制されることが明らかとなった。一方、マウスPDGFレセプターαおよびβ特的な阻害抗体を用いた場合においても、肺でのfibrocyteの増加が抑制された。以上から、マウスfibrocyteの線維化肺への遊走には、PDGF-PDGFレセプター系が関与していることが示され、PDGF-PDGFレセプター系の阻害は抗線維化療法として有用である可能性が示唆された。
|
Research Products
(13 results)