2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胚性幹細胞から造血幹細胞移植治療のための造血幹細胞への分化誘導法の開発
Project/Area Number |
20390291
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻 浩一郎 The University of Tokyo, 医科学研究所, 准教授 (50179991)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海老原 康博 東京大学, 医科学研究所, 助教 (40302608)
|
Keywords | ヒト胚性幹細胞(ES細胞) / 造血幹細胞. / 胎仔肝 / ストローマ細胞 / 多能性造血細胞 / ヒト血清 / ヒト血漿. / platelet lysate |
Research Abstract |
1.ヒト胚性幹細胞(ES細胞)から多能性造血細胞への分化誘導法の確立 胎生14〜15日のマウス胎仔肝からストローマ細胞を培養し、ヒトES細胞と樹立されたストローマ細胞との共培養を試みた。この共培養系においては、培養2〜3日間は、ヒトES細胞は未分化な形態を維持しつつ増殖を続けたが、培養3〜5日目頃より分化を開始した。培養11〜12日目頃には、cobble stone area(CSA)が出現し、その数は次第に増加した。CSA数が最大となる培養14日頃に、共培養されたヒトES細胞を、エリスロポエチン、トロンボポエチン、interleukin(IL)-3、IL-6、SCF(stem cell factor)、G-CSF(granulocyte colony-stimulating factor)存在下で、コロニー培養すると、赤血球、顆粒球、マクロファージ等、様々な血液細胞を含む血液細胞コロニーが形成された。この結果は、マウス胎仔肝由来ストローマ細胞を用いた共培養系により、ヒトES細胞から多能性造血細胞が分化誘導されたことを示している。 2.ヒトES細胞由来ストローマ細胞の分化誘導 動物由来血清及び細胞に依存しないヒトES細胞から多能性造血細胞への分化誘導法を確立するために,マウス胎仔肝由来ストローマ細胞の代替物として、ヒトES細胞自身から、動物血清非依存的に、造血支持能を有するストローマ細胞への分化誘導することを試みた。ウシ胎仔血清も代替物としては、ヒト血清、ヒト血漿、ヒトplatelet lysateなどを用いて検討した。
|