2011 Fiscal Year Annual Research Report
急性壊死性脳症と痙攣重積型急性脳症の病因・病理・病態
Project/Area Number |
20390293
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水口 雅 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20209753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 秀雄 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10250226)
伊藤 雅之 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, その他 (50243407)
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Keywords | 急性脳症 / 急性壊死性脳症 / 痙攣重積型急性脳症 / 遺伝子解析 / アデノシン / サイトカイン / イオンチャネル / ミトコンドリア |
Research Abstract |
急性脳症は小児に多く、ウイルス感染症を契機として急激に発症する。本研究は急性脳症のうち、死亡や神経学的後遺症をもたらす例が特に多い急性壊死性脳症(ANE)と痙攣重積型急性脳症(AESD)に重点を置き、発症の遺伝的背景を探索した。 平成23年度の研究では日本人ANE症例でRANBP2解析を引き続き行い、ほぼすべてのエクソンのシークエンシングを終了した。またAESDに関しては、ADORA2A遺伝子多型の機能解析を完了した。さらに従来の研究で熱性けいれんとの関連が指摘されているサイトカイン関連遺伝子(IL1B、IL1RN, TLR4)多型について、AESD群、熱性けいれん群、正常対照群を対象に遺伝子解析を行った。またテオフィリン脳症(全例がAESD)を対象にCPT2、ADORA2A、SCN2Aなど多数の責任遺伝子・候補遺伝子について多型、変異を解析した。 AESD群(76症例)ではIL1B遺伝子(interleukin-1βをコードする)の-511C/T多型の頻度が熱性けいれん群や対照群に比し、有意に高かった。またIL1RN(interleukin-1 receptor antagonistをコードする)のRN1/RN2遺伝子型の頻度が熱性けいれん群、対照群に比し、有意に高かった。TLR4遺伝子の多型の頻度に関しては、差が見られなかった。またテオフィリン脳症(16症例)の半数がAESDの危険因子であるCPT2熱感受性ハプロタイプ(CIM)を有していた。全例がAESDないし熱性けいれん・てんかんとの関連が報告されている多型を複数有していた。 本年度の研究により、AESDの新たな遺伝的素因が見いだされ、今後の病態や治療の解明に寄与した。またテオフィリン脳症の発症が、われわれの見いだした危険因子の組み合わせでほぼ説明可能であることが立証された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(25 results)