2008 Fiscal Year Annual Research Report
時期特異的遺伝子強制発現マウスを用いた神経幹細胞のクロマチン調節機構に関する研究
Project/Area Number |
20390299
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 孝雄 Keio University, 医学部, 教授 (80171495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小崎 健次郎 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (30234743)
三橋 隆行 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80338110)
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Keywords | エピジェネティクス / 大脳皮質発生 / 神経前駆細胞 / マウス / 細胞周期 / ヒストン脱アセチル化 |
Research Abstract |
エピジェネティクス機構、特にクロマチン構造を制御するヒストン脱アセチル化酵素が、大脳皮質を構築する神経前駆細胞の細胞周期調節機構に果たす役割を解明する。具体的にはヒストン脱アセチル化酵素を神経前駆細胞に特異的に、かつ発生時期特異的に強制発現させることのできるマウスを作成、ヒストン脱アセチル化酵素Sir2強制発現により神経前駆細胞に惹起される細胞分裂動態の変動、結果として大脳皮質の組織学的構築に生じる異常を解析する。TRE-Sir2トランスジェニックマウスの作成 Sir2alpha(マウス由来)in pUSBAmpを制限酵素BstXIで切断しSir2遺伝子を含む2.3kbの遺伝子断片を得、pTRE-Tightプラスミドを制限酵素EcoRVおよびSmaIで切断した断片と結合した。得られたpTRE-Sir2を大腸菌DH5alphaにより産生させ、プラスミド内のSir2遺伝子を含む2.3kbの遺伝子断片とTREの遺伝子配列をDNAシークエンサーで確認した。pTRE-Sir2をXhoIで切断し、2.9kb断片すなわちTRE-Sir2を得、FVBマウスの受精卵にマイクロインジェクション法により注入した。遺伝子を導入された受精卵は偽妊娠状態の母親マウス子宮に移植し出産させた。出産後、仔マウスの尻尾をから抽出した体細胞DNAを用いて、PCR法でTRE-Sir2遺伝子断片が導入されたトランスジェニックマウスを合計3ライン同定した。 Sir2強制発現可能なTRE-Sir2トランスジェニックマウス系統の検索上記TRE-Sir2トランスジェニックマウスと、神経前駆細胞特異的にテトラサイクリン強制発現システムの調節タンパク質rtTAを発現するトランスジェニックマウス(nestin-rtTA)とを交配し、両遺伝子を持つダブルトランスジェニックマウス胎児を得た。その際母親マウスにドキシサイクリンおよび対照としてのPBSを投与、導入遺伝子由来のSir2を強制発現可能で、かつPBS投与時に遺伝子発現の「漏れ」が最小な系統を検索した。その結果、RT-PCR法により導入遺伝子由来の転写産物を2ラインより検出、さらに両ラインからはwestern blot法によりSir2蛋白の強制発現を確認した。
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