2010 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症関連障害のオキシトシン関連遺伝子cd38の変異とオキシトシン補充療法
Project/Area Number |
20390311
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三辺 義雄 金沢大学, 医学系, 教授 (60181947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
棟居 俊夫 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任准教授 (50293353)
菊知 充 金沢大学, 医学系, 特任助教 (00377384)
中谷 英夫 金沢大学, 附属病院, 助教 (10452103)
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Keywords | 自閉症 / 全般性発達障害 / オキシトシン / CD38 / MEG / NIRS / 遺伝子研究 / 脳画像研究 |
Research Abstract |
I自閉症におけるオキシトシン関連研究 (1)大家系を中心とした自閉症スペクトラム障害のサンプルによるCD38の遺伝子変異の検討:CD38のSNPを有する自閉症スペクトラム障害とそれを有さない者との間の臨床精神医学的、神経化学的、神経生理学的、自律神経学的観点からの検討し、論文にまとめた(Munesue et al.,2010)。 (2)CD38のSNPを有する自閉症スペクトラム障害へのオキシトシンの効果を検討する臨床試験:まず健常成人にたいするオキシトシンの影響について倫理委員会の認可を受け、まず健常者20人での生理食塩水をコントロールとするクロスオーバー盲検試験を行った。その結果、表情認知の傾向や、葛藤課題に対する反応速度に対する影響は、個人の素質によって異なることを確かめた。すなわち被験者のSystem Quotientが高いほど、曖昧な表情をよりよく認知し、葛藤改題に対する反応も早くなることが判明した(現在論文作成中)。今回の健常人を対象とした試験で、有害な副作用が生じなかったことから、自閉症患者にたいする治療研究についても倫理委員会の理解が得られる段階となり、準備を進められるようになった。 (3)オキシトシンの治療可能性について、全国的に報道されたことを期に、全国で自主的にオキシトシン点鼻薬を輸入し自主的に治療を開始しはじめる例が多くなった。そして全国への報道を期に当研究の分担研究者へ報告する家族が認められるようになった。その中には、症状が顕著に改善するケースが認められ、病状改善をみとめるケースには、衝動統制の困難さなどの特徴があることが判明した。 II MEG、NIRS同時計測装置の試作設計及び健常人でのMEGとNIRSの同時測定の実現と有用性評価 (1)健常者20人を対象にオキシトシン投与前後で、表情認知を行う際の脳活動の変化を捉えた。MEGの脳活動評価によって判明したことは、オキシトシン投与後には、表情認知時における側頭葉後下部のGamma帯域の活動が上昇したことである(現在論文作成中)。
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Research Products
(27 results)