2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390379
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松村 明 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90241819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲哉 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30375505)
熊田 博明 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究炉部, 研究員 (30354913)
中井 啓 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50436284)
成相 直 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00228090)
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Keywords | グリオーマ / BNCT / ホウ素 / 中性子 / 脳腫瘍 |
Research Abstract |
平成20年度はJRR-4の修理のためマシンタイムが制限されたが、治療効果、有害事象の発生頻度について分析し、本治療法の治療効果・安全性を報告した(Radiotherapy and Oncology,2009)。15例は年齢平均57歳、(32-76歳)の男性4名、女性11名で、全例病理組織学的に膠牙腫と診断された。無増悪期間time to progression(TTP)は11.9カ月、全生存期間の中央値は4名が生存している時点(平均観察期間23カ月)で25.7カ月であった。外照射BNCTにX線照射を加えた8例の生存期間中央値は27.1カ月であった。12例が1年以上生存し、うち10例(83.3%)がパフォーマンス値(KPS90:8例、KPS100:2例)を維持できな。1年生存率は80%、2年生存率は53.3%であった。4例にグレード2、1例にグレード4の有害事象を認めた。これらのことから、BNCTの安全性が確認され、令後は活療効果が高く、グレード3以上の有害事象を認めない外照射BNCTに関し、多数例での治療研究を行う方向で検討している。 フェニルアラニンの磁気共鳴スペクトロズコピー(MRS)による定量評価の研究を行ったフェニルアラニンは約7ppmのchemical shift peakを認めた。ファントム実験を行い、水を錬準物質としてフェニルアラニン濃度を計算すると、計算値と実際値がほぼ比例することを確認し、phantom studyにおいて測定限界1.5mMとしてBPAの定量化に成功した。ホウ素の測定は19F-BPA-PET検査でも可能であるが、PETの普及率はMRI装置より相当に低く(1/20程度)、さらに19F-BPAの合成のために専用の特殊な装置が必要であり、高額の費用を要するという問題点がある。本研究をすすめることにより、中性子捕捉療法の放射線治療計画に求められている正確な病巣へのBPA集積量の測定と分布がより低コストで正確に行える可能性がある。
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Research Products
(3 results)