2008 Fiscal Year Annual Research Report
カプセル化神経幹細胞移植を用いた新しい脳卒中治療戦略
Project/Area Number |
20390386
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊達 勲 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70236785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 康之 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (00362997)
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Keywords | 細胞療法 / 脳卒中 / 脳梗塞 / カプセル化細胞移植 / 神経幹細胞 / 骨髄幹細胞 / 神経栄養因子 / 前臨床試験 |
Research Abstract |
まず、成体げっ歯類脳室下帯から成体由来神経幹細胞を分離培養し、in vitroで分化・増殖能を確認した。神経幹細胞からは、ドパミン神経やGABA神経を分化誘導することができた。ドパミン神経に分化誘導することにより、HPLCを用いた解析では、ドパミンを機能的に分泌していることが示された。神経幹細胞を生着させるたあに、I型コラーゲンを用い解析では、ドパミンを機能的に分泌していることが示された。神経幹細胞を生着させるために、I型コラーゲンを用いて足場を形成して、カプセル化したところ、腫瘍形成を見ることなく、良好なカプセル内での生存をin vitroで確認した。 次いで、カプセル化神経幹細胞の治療効果を検討するために、ラット脳梗塞モデルを作成した。通常我々が 用いている栓子による中大脳動脈閉塞モデルに加えて、自家動脈血を用いた塞栓性梗塞モデルを作成し、急性期にTTC染色で梗塞巣の有無を確認したところ、散在性に小梗塞巣が得られていた。ただ、中大脳動脈閉塞モデルでは明らかな運動障害を認めたのみ対し、塞栓性脳梗塞モデルでは運動障害の発生にはモデルごとの相違が大きかった。この2つのラットモデルを用いて、カプセル化神経幹細胞移植を行っところ、どちらのモデルにおいても1ヵ月後のカプセル内での神経幹細胞の生存を認めた。また、中大脳動脈閉塞モデル作成から12時間後までの移植で、1ヵ月後の脳梗塞体積の縮小を認め、行動学的改善を認めた。組織学的には、ごく軽度の炎症反応を認あた。 これに対して、非カプセル化神経幹細胞移植を行ったところ、オプセル化神経幹細胸の方が、有意差をもって1ヵ月後の神経幹細胞の生存数が多かった。ただ、梗塞巣範囲の評価を行うに際して、カプセルそのものによる脳損傷を考慮に入れる必要があることが判明し、現在、カプセル化細胞移植と空カプセル移植+非カプセル化細胞移植の比較を行っているところである。
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Research Products
(56 results)