2009 Fiscal Year Annual Research Report
循環管理を支援する自動治療システムを臨床実用化するための研究
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20390462
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
神谷 厚範 National Cardiovascular Center Research Institute, 循環動態機能部, 室員 (30324370)
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Keywords | 循環 / 心不全 / 左心房圧 / 肺動脈圧 / 右心房圧 / 自動治療 / 医工学 |
Research Abstract |
循環動態の自動薬物治療の旧システムは、開胸下条件に限定されるという問題点がある。そこで、主に次の(1)(2)(3)の特長をもつ新システムを開発し、閉胸下臨床現場において使用可能に高めた。(1)旧システムでは、開胸下に左心房圧を実測したが、閉胸下ではこれを実測困難である。そこで、閉胸下でも可能な肺動脈楔入圧の間歇的測定、および、肺動脈圧の連続的測定(スワンガンツカテーテル)より、左心房圧を連続推定するシステムを試作した。この左心房圧推定装置を、旧システムと融合することによって、新規に閉胸下自動治療システムを試作した。(2)旧システムでは、実測した左心房圧を用いて左心ポンプ機能と有効循環血液量を診断したが、新システムでは、左心房圧推定値を用いて有効循環血液量を診断するアルゴリズムを開発した。(3)旧システムでは、実測した左心房圧を用いて左心ポンプ機能を診断し、それを制御対象としたが、新システムでは、左右の心臓ポンプ機能の線形1次相関性(左心不全では確認済)を利用して、右心ポンプ機能(右房圧-心拍出量関係から定量化)を診断し、右心ポンプ機能を制御することによって、結果として左心ポンプ機能を正常化するようなアルゴリズムを開発した。血行動態の診断治療シミュレーターを用いて、(1)(2)(3)を統合した新システムを開発し、これを用いて実際に心不全動物の治療実験を行った。その結果、旧システムと比して遜色のない、精確迅速な、循環動態の自動薬物治療を行った。次に、自動診断治療システムを実用化するために、想定される様々なシステムエラーに対して、安全装置やアラーム装置を搭載し、安全化を図った。特に、心拍出量推定のエラー、圧や薬剤投与ラインの閉塞抜去等のエラーを自動検知して対処するアルゴリズムを試作した。
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Research Products
(5 results)