2009 Fiscal Year Annual Research Report
コネキシン43を介した組織の高次機能恒常性維持機構の解明
Project/Area Number |
20390470
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森田 育男 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 教授 (60100129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中浜 健一 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (60281515)
秋吉 一成 生体材料工学研究所, 教授 (90201285)
市野瀬 志津子 先端研究支援センター, 助教 (60014156)
小野寺 光江 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (50376703)
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Keywords | コネキシン / ギャップ結合 / annular gap / リポソーム / DDS / ナノサイエンス |
Research Abstract |
本研究の目的は、「骨構成細胞のコネキシン43(Cx43)を介した細胞間・細胞内情報伝達機序を明らかにすること」で、その目的の達成のために、本年度は(1)2細胞マニピュレーションのための基板の作成、(2)annular gapに関与する因子の解明、(2)annular gapの方向性を決定する因子の解明、(4)リポソーム内に取り込まれたCx43を用いた細胞制御を行った。その結果、ポリエチレングリコールを塗布した基板に光リソグラフィーにより親水性のラインを作成することにより、このラインにのみ細胞を培養する方法が確立された。次に、その基板を用いてannular gapの方向性を決定する因子の解明を行った。その結果、コネキシン43(CxX43)のフルレングスとC末端から342アミノ酸残基までトランケートした変異タンパクの間では、各々のCx43を発現させた細胞に50%ずつの割合でannular gapが認められたが、それ以上トランケートした変異アミノ酸を発現させた細胞では、annular gapが認められず、すべてのannular gapがフルレングスを発現させた細胞にのみ認められた。このことは、325~342のアミノ酸配列がannular gapの方向性を規定していることを示しており、現在、この配列に結合するタンパクの同定を行っている。また、昨年度までの研究において、Cx43を取り込んだリポソームによる新たなDDSの開発を行ったが、本年度は、このCx43を組み込んだリポソームを用いて、細胞のターゲッティングを行うことにより、Cx43を発現している細胞のみに薬剤を導入し、その機能を調節することに成功した。さらに、無細胞系を用いて、Cx43タンパクを合成する際のリポソームにはCx43タンパクの凝集を抑制するシャペロン様作用があることを見出し、この系の詳細な検討を行った。
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