2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390536
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉田 秀夫 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30116131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野出 大輔 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70189801)
吉岡 昌美 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90243708)
鹿山 鎭雄 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50432761)
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Keywords | 専門的口腔ケア / 自己免疫疾患 / 熱ショック蛋白質 / PKR / 頬粘膜乾燥 / 舌苔 / 口腔内不潔物 / 自己抗体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、歯周病原細菌由来のHeat shock protein(HSP)、fibronectinおよび蛋白質リン酸化酵素double-stranded RNA-dependent protein kinase(PKR)に着目し、宿主に対する免疫学的、生化学的な基礎研究による自己免疫疾患発症との関連性を検討し、自己免疫疾患抑制の視点から専門的口腔ケア介入をふまえた臨床研究を実施することである。 本年度は、基礎研究として歯周病局所におけるPKRの機能について検討した。昨年度までの成果より、ヒト線維芽細胞PKRにおいてLPS刺激により炎症性サイトカインが誘導されること、またその誘導はPKRをノックダウンしても解除されないことが判明した。阻害剤を用いてさらに検討した結果、LPS刺激による炎症性サイトカインの誘導が、転写因子NF-kappaB経路に依存的であることを見出した。ヒト線維芽細胞PKRにおいてLPS刺激により実際にNF-kappaBが核移行していることを、免疫染色および細胞分画法により確認した。また同時に、PKRの活性因子であるPACTの局在が変化していた。以上の結果より、歯周病局所において、NF-kappaB経路依存的に亢進した炎症性サイトカインによりPKRが活性化される可能性が示唆された。 一方、専門的口腔ケア介入による臨床的変化について、ICU入院患者を対象として臨床疫学的に調べた。指標とした6つの内容の評価可能な患者の改善率(対象者数)はそれぞれ、口臭の改善73%(22名)、頬粘膜乾燥の改善72%(18名)、歯面の汚れの変化52%(31名)、歯面以外の汚れの変化50%(30名)、舌苔の改善38%(32名)、口唇乾燥の改善26%(35名)であった。口腔内不潔物による頬粘膜や舌表面と接触の変化が自己抗体産生量の変化と関連があるか、今後焦点を絞って検索する予定である。
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Research Products
(5 results)