2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390536
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉田 秀夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30116131)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野出 大輔 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70189801)
吉岡 昌美 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90243708)
吉田 賀弥 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (60363157)
|
Keywords | 專門的口腔ケア / 自己免疫疾患 / 歯周病原細菌 / 熱ショック蛋白質 / リウマチ患者 / 唾液IgA / PKR |
Research Abstract |
本研究の目的は、歯周病原細菌由来のHeat shock protein (HSP)および蛋白質リン酸化酵素double-stranded RNA-dependent protein kinase (PKR)に着目し、これらと自己免疫疾患発症との関連性を基礎研究により検討し、自己免疫疾患抑制の視点から専門的口腔ケア介入をふまえた臨床研究を実施することである。 1.基礎研究:昨年度までに、ヒト歯肉細胞Sa3 cellsをLPSで刺激すると、転写因子NF-κB依存的及びPKR非依存的に炎症性サイトカインが誘導されることが判明している。本年度は、(1).LPSにより誘導された炎症性サイトカインがPKR活性化に関連するか、(2)どのような機構でPKRが活性化するかを検討した。その結果、(1).PKRはLPS刺激後6時間以降でリン酸化すること、(2)LPS刺激後3時間以内にPKRの活性化因子PACTがPKRと結合すること、(3).NF-κBを阻害するとLPS刺激時のPACT-PKR間結合が解除されることが明らかになった。LPS刺激により亢進された炎症性サイトカインが、(1)~(3)に関与しているかは判定できなかった。以上は、歯周病局所においてNF-κB経路を介してPACTがPKRに結合し、PKRをリン酸化し活性化する可能性を示している。 2.臨床研究:リウマチ患者群(7名)と対照群(7名)の歯周病臨床指標と、抗HSP60-唾液IgA抗体価を比較した結果、いずれも統計学的に有意な関連性は認められなかった。唾液検体中の歯周病関連細菌数を比較したところ、リウマチ患者群では対照群に比べてCampylobacter rectus (C.r.)の割合が有意に高かった。以上より、リウマチ患者に対する専門的口腔ケア介入において唾液中のC.r.の測定は有効な指標となる可能性が示唆された。
|
Research Products
(3 results)