2010 Fiscal Year Annual Research Report
在宅人工呼吸療法の小児の介護を行う家族のホームベースケアに関する研究
Project/Area Number |
20390563
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
生田 まちよ 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (20433013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮里 邦子 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (90304427)
野村 恵子 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (10452880)
永田 千鶴 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (50299666)
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Keywords | ホームベースレスパイトケア / 長時間滞在型訪問看護 / 在宅人工呼吸療法 / 小児看護 / 在宅支援 / 家族看護 |
Research Abstract |
1.在宅人工呼吸療法を実施している幼児から学童の4家族に対して、定期的に月2回、1回6~8時間、訪問看護師が自宅に滞在してケアするホームベースレスパイトケアを実施した。この効果を明確にするために、母親に2~4カ月に1回ずつ、半構造化面接、健康関連QOL尺度、Feethman家族機能調査日本語版1、多次元介護負担感尺度を実施した。面接結果を質的帰納的に分析した。その結果、【児を預けることを抑制する因子】として、「児を預けること・母が外出することの児への申し訳なさ」「児を預けること・児をおいて外出することの家族への遠慮」「看護師との関係性やケアの方法への不安」「児の体調の不安定さ」が抽出された。【レスパイトの効果を導いた因子】として"看護師が1対1で見てくれることでの安心感"を中核とした「自宅で見ることでの安心感」、定期的な長時間訪問の実施での「気持ちの余裕・時間の余裕」、「看護師との関係性の深まり・ケアの質の向上」であった。効果として「母の身体・精神症状の改善」だけでなく「母親の児の抱え込みの介護からの開放」も示唆された。訪問看護師に対しても、母親と同時期に半構造化インタビューを実施した。ホームベースレスパイトケアの看護ケアの特徴をインタビューのデータより質的帰納的に分析している。これらの調査は、「定期的に自宅で実施するレスパイトケア」という新しい概念のケアモデルを構築するうえで重要なデータになると考える。 2.訪問看護師は在宅人工呼吸療法の小児の受けいれに対して不安をもっていることが多いため、訪問看護師への教育プログラムの開発と評価を行った。本年は第2回コース(2日間)の研修を実施し、質問紙調査での評価を行った。今回コースの参加者は92名であった。アンケート結果より、小児在宅看護を実施する上で必要と考える項目を網羅し、より実践的にできるように演習を多く取り入れたことで、不安や抵抗感の軽減に寄与し、受入れ増加が期待できた。今後も小児の訪問看護の状況や問題点を把握したうえで、ニーズに則した研修を継続して実施する必要がある。
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Research Products
(5 results)