2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国の初期仏教寺院とその源流にかんする考古学的研究
Project/Area Number |
20401031
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡村 秀典 Kyoto University, 人文科学研究所, 教授 (20183246)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 穣 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60201935)
船山 徹 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (70209154)
向井 佑介 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (50452298)
|
Keywords | 仏教寺院 / 中国 / インド / 石窟 / 雲岡石窟 / 蛍光X線分析 / 塑像 / 舎利 |
Research Abstract |
(1)中国遼寧省朝陽市北塔博物館において北魏文明太后が479年ごろに建てた思燕寺遺址出土の塑像と瓦類の調査を実施した。報告は中国の雑誌に発表する予定で、とりあえず日本文の報告を完成させ、中国側に提出した。(2)中国河北省文物研究所において北魏孝文帝が481年に造営した定州塔基出土の舎利荘厳具を実測・撮影するとともに、金・銀・銅・ガラス製品について蛍光X線分析を実施した。なかでも北魏における響銅・真鍮や吹きガラスの製作技法がはじめて明らかになり、仏教の伝来とともに仏具の製作技術が伝わってきたことが推測できるようになった。(3)インド・ニューデーリの国立博物館に所蔵されているタキシラ遺跡の仏教文物を調査するとともに、西インドのアジャンター・エローラ・ピタルコーラ・アウランガーバード・ナーシク・カルラ・バージャ・ベドゥーサ・カンヘーリなどの石窟寺院を調査し、一部の石窟寺院について測量をおこなった。また、石窟に残されている銘文を検討し、寺院における仏教信仰の実態について中国のばあいと比較検討した。(4)人文研が1934年から1938年にかけて調査した中国の響堂山・龍門・雲岡石窟の貴重な16ミリ映画フイルムを修復のうえデジタル化した。それは来年度に京都大学アーカイブ・センターで公開の予定である。(5)以上の考古学的調査をふまえ、仏教寺院全体の景観とその変遷を検討し、響銅・真鍮製の仏具が漢訳の仏教経典などにどのようにあらわれているのか、仏教寺院における儀礼を中心に共同研究をおこなった。
|