2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20401034
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
河合 望 Waseda University, 理工学術院, 准教授 (00460056)
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Keywords | 古代エジプト / 考古学 / 西洋史 / 王墓 / 副葬品 / 新王国時代 |
Research Abstract |
本研究は、古代エジプト新王国時代の王墓の発掘調査の出土遺物とエジプト国内および海外の博物館に収蔵されている王墓の副葬品を総合的に研究し、古代エジプト新王国時代における王および王家の埋葬習慣の一端を明らかにすることを目的としている。 国外では、アメリカ合衆国の博物館およびエジプト、アメンヘテプ3世王墓および遺物倉庫における調査・研究を実施した。また、国内では、早稲田大学によるアメンヘテプ3世王墓調査の出土遺物のデータ・ベースを作成した。 1)アメリカ合衆国の博物館・美術館における研究 2008年9月にニューヨークのメトロポリタン美術館およびブルックリン美術館、ボストンのボストン美術館にて新王国時代の王墓出土の副葬品の調査を行った。メトロポリタン美術館では、早稲田大学古代エジプト調査隊がアメンヘテプ3世王墓を調査する以前に米国隊が20世紀初頭に発掘した遺物を研究する許可を得、全ての関連遺物の記録、研究を実施した。ブルックリン美術館では、考古学的発掘調査由来のものではないが、新王国時代の王墓由来と思われる遺物の調査をおこなった。ボストン美術館においても米国隊による調査で出土した遺物の調査を行った。特に、メトロポリタン美術館の調査では、未発表のアメンヘテプ3世王墓出土の膨大なファイアンス製品を記録することができ、当時の最高技術のファイアンス製作技法に関する知見を得ることができた。 2)エジプトにおける現地調査 2009年1月から2月にかけて早稲田大学エジプト学研究所による第18次アブ・シール丘陵遺跡調査に参加し、新王国時代第19王朝ラメセス2世の孫娘イシスネフェルトの墓を発見し、副葬品の調査を行った。また、2009年3月には、ルクソール、王家の谷・アメンヘテプ3世王墓および遺物倉庫にて出土遺物の調査を実施した。今年度は、主に木製品、ファイアンス製品を中心に作業を行った。
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