2008 Fiscal Year Annual Research Report
開発と国家支配-連邦制国家エチオピアにおける開発エージェントと国家権力の相克
Project/Area Number |
20401046
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
宮脇 幸生 Osaka Prefecture University, 人間社会学部, 教授 (60174223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 美奈子 南山大学, 人文学部, 准教授 (20329741)
田川 玄 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (70364106)
藤本 武 人間環境大学, 人間環境学部, 准教授 (20351190)
増田 研 長崎大学, 環境学部, 准教授 (20311251)
松村 圭一郎 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 助教 (40402747)
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Keywords | 開発 / 国家 / エチオピア / 南部諸民族州 / オロミア州 |
Research Abstract |
本年度は、研究会において開発に関する基礎的研究の検討を行なう一方で、それぞれのフィールドにおいてなされている開発についての予備的調査を行なった。研究会では、ケニアにおける国営の水田開発と、移住者の国家に対する抵抗戦略についての事例研究、ザンビアの食糧援助システムの事例研究、エチオピア南部諸民族州における医療システムの展開についての事例報告について検討を行なった。また開発言説による「開発対象」の構築と、官僚機構による開発の実践に関する人類学的研究について、検討を行なった。フィールドでは、研究分担者の増田は、エチオピア南部諸民族州において、医療システムの運営のあり方と、近代医療が現地農牧民にどのように受容されているのかに関する調査を行なった。現地での医療システムは、医学的な観点からは、充分な形で展開されていないことが明らかになった。また松村は、ザンビアとエチオピアにおいて、食糧援助システムを運営する行政機構について調査を行なった。食糧援助の現地レベルでの実践は、援助システムの様々なレベルにおける介入により、旱魃等を理由としたドナー向けになされている説明とは一致される形ではなされていないことが明らかになった。研究協力者の吉田は、南部諸民族州で被差別民族集団における人権教育と、それよる支配集団との関係の変化について調査を行なった。松波は、オロミア州ナザレットで、宗教的巡礼に対する開発の影響について調査を行なった。山森は、オロミア州アルシにおいて、マラソンランナーのリクルートと育成が、地域社会にどのような影響を及ぼしているのかについて調査を行なった。
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Research Products
(10 results)