2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国における象徴資本としての宗教実践に関する調査研究
Project/Area Number |
20401051
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
佐々木 伸一 Kyoto University of Foreign Studies, 外国語学部, 教授 (30175377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 欣雄 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (90103209)
池上 良正 駒澤大学, 総合教育研究部, 教授 (60122925)
黄 強 中部大学, 国際関係学部, 教授 (90329673)
志賀 市子 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (20295629)
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Keywords | 国際研究者交流 / 中国 / 文化人類学 / 宗教実践 / 状況構築 / 象徴資本 |
Research Abstract |
本年度は宗教実践などの象徴資本に関する状況的構築な諸相についての調査を、中国の各地でそれぞれが実施した。近年の新たな実践と過去からの実践のどちらもが、地域の事情に応じた形で使い分けられる様相に関して、新たな資料を得ることができた。 北京市では、オリンピック開催期における社区(町内会)活動と象徴資本について調査を行った。当該社区構成員は、オリンピック開催そのものを、活動の「象徴資本」として「良識ある北京市民」を演じていたが、そこには政治的に入るはずであった「儒教」活動などの演技といったものが、実際には実践されていなかった。浙江省では杭州で、安徽省では九華山において、仏教寺院での中元節と地蔵菩薩生誕日(旧暦7月30日)に実施される「死者供養儀礼」と「地蔵法会」の実態を、また山西省西安市各寺院の調査では、「死者供養儀礼」が象徴資本として、上海と同様に経済的に遅れている内陸部でも興隆している様態を明らかすることができた。広東省では、広州で南海神廟を、また茂名市の高州では洗夫人廟と「潘仙」を祀る道観を選び、その歴史と現状及び信徒の活動実態などを、梅州では「公王信仰」と「義塚」を、汕頭では「宋朝大元帥」の信仰についてそれぞれ資料を得た。江蘇省では、北部において民俗宗教に関する民間の実践についての広域調査を実施し、塩城と淮安のあたりが「過陰」と「動物神・仙」という両要素が入り混じる民俗宗教の南北境界であることを確認した。また塩城では「絞かい子」という託宣の儀礼も見いだし、改めて「迷信」とされる民俗信仰の根強さを認識した。なお当初予定していた重慶・四川の調査は大地震の被害のために取りやめとし、江蘇の調査に振り替えた。
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Research Products
(6 results)