2008 Fiscal Year Annual Research Report
旧ソ連の原子力開発にともなう放射能災害とその被害規模に関する調査研究
Project/Area Number |
20402001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今中 哲二 Kyoto University, 原子炉実験所, 助教 (90109083)
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Keywords | 原子力開発 / 放射能災害 / 原子力潜水艦 / ソビエト連邦 / チェルノブイリ / セミパラチンスク / トムスク / チェリャビンスク |
Research Abstract |
平成20年度は以下の5回の現地調査を実施した。(1)2008年5月に研究代表者・今中と連携研究者・木村がウクライナのキエフ市と旧チェルノブイリを訪問し、チェルノブイリ事故研究の最近の現状について調査。(2)9月前半に今中が、金沢大学のグループに合流し、カザフスタンの旧セミパラチンスク核実験場周辺での放射能汚染調査。(3)9月後半に今中が、ロシアのトムスク市で開かれた平和問題に関する国際会議に参加し、旧ソ連の核閉鎖都市トムスクー7の研究者と意見交換。(4)9月に研究協力者の七澤が、イスラエルを訪問し同国に移住した元チェルノブイリ原発従業員の聞き取り調査。(5)12月に今中は、ロシアのモスクワを訪問し、ロシア医学生物物理センターのシンカレフらと意見交換するとともに、ロシア国立図書館で文献調査を行った。また、現地の研究者・専門家に対し、「旧ソ連の原子力発電開発と事故」、「旧ソ連原潜事故にともなう放射線被曝」、「チェルノブイリ事故現場での数日間の体験」、「チェルノブイリ原発4号炉の暴走・爆発プロセスの詳細」といった特別レポートの作成を依頼した。これらの現地調査や資料調査の成果は現在とりまとめているところであるが、その一部は旧ソ連の放射能災害に関する資料としてすでに発表済みである。たとえば、元チェルノブイリ原発技術者であるカルパン氏による事故当時の出来事に関するレポートには、事故炉で再臨界が起きていたという指摘など、これまで知られていなかった事実が述べられている。そのほか、チェルノブイリ事故による放射能汚染調査の延長として、低レベル放射線被曝が植物にもたらす影響を調べるための生物実験を実施し、その成果を発表した。
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Research Products
(7 results)