2011 Fiscal Year Annual Research Report
フィンランドにおける不登校児支援:日本へのインプリケーション
Project/Area Number |
20402006
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
高橋 睦子 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (50320437)
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Keywords | 不登校 / フィンランド / 福祉政策 |
Research Abstract |
本年度は最終年度であり、研究代表者と研究連携者(メルヴィオ、ミカ:吉備国際大学、片岡佳美:島根大学、川中淳子:島根県立大学)は、まず4月から6月にかけて前年度までに得られた研究知見と研究情報の分析を行ない、7月には島根大学で高橋、片岡、川中が集い、日本における不登校・引きこもり問題について勉強会を実施した。8月には、高橋、メルヴィオ、片岡、川中がフィンランドでの海外調査を実施し、タンペレ市での若者センターの現地視察、タンペレ市子どもオンブズマンへの聞き取り調査、ユヴァスキュラ大学家族研究センターでの研究協議などを実施した。フィンランドでは、義務教育年齢では顕在化しない不登校児の問題が、15歳-17歳といった10代後半から20代前半の年齢層では若者の引きこもり問題として社会的にも認知される傾向にあることを把握した。11月下旬から12月はじめにかけて、ユヴァスキュラ大学家族研究センター長キンモ・ヨキネン教授を招聘し、東京(お茶の水女子大学)、岡山(吉備国際大学)、神戸(甲南大学:関西家族社会学会研究例会)、札幌(北海道大学)での公開講演会を実施し、研究活動の成果を日本において社会還元することにも努めた。とくに、東京での講演会は、「なくそう子どもの貧困」全国ネットワークとの共催、フィンランドセンターの後援を得て、研究者のみならず子どもの福祉や教育課題に関心の高い一般市民の参加を得ることができた。また、ヨキネン教授を介して、EUの家族政策研究ネットワークとの研究協力の可能性を見い出し、さらなる研究プロジェクトへの展開の道筋を得ることができた。
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Research Products
(5 results)