2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国の大衆消費社会の成立進展過程における都市・農村地域の消費実態調査研究
Project/Area Number |
20402021
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
李 海峰 Yamaguchi University, 経済学部, 教授 (00346545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米谷 雅之 広島経済大学, 経済学部, 教授 (50034864)
藤原 貞雄 山口大学, 名誉教授 (10034878)
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Keywords | 大衆消費社会の成立 / 中国消費者 / 中国の都市と農村 / 消費者行動 / アジア諸国の消費生活 / 中国自動車市場 / 消費者アンケート |
Research Abstract |
本研究は、中国における市場経済発展過程において社会経済がどのように変動しているか、大衆消費社会がどのように形成されているか等について、格差が拡大しつつある都市と農村で消費者の生活や意識行動の調査を行い、中国における大衆消費社会の成立プロセスを解明するための3年間の研究である。 今年度は前年度に続き、研究計画のとおりに、まずランダムに選定された経済力水準の異なる7都市の農村地域(北京市の郊外の3つの県、上海市の農村部、太源市の農村部、昆明市の農村部、天津市の農村地域、西北部の陝西省の農村地域、安徽省の農村地域の鳳陽県)において、2009年6月から2009年9月まで各地域200部、計1400部のアンケート調査を実施した。その後、2009年10月に天津市においてディーラーの聞き取り調査を行い、12月から2010年3月まで、一部の都市部住民(北京市、天津市、済南市、寧波市、大連市など)376人を対象にアンケート調査を行った。現在はこれらの都市・農村地域での調査データの集計を行っており、今後本格的な解析作業を予定している。既に、一部の解析結果に基づいて、幾つかの研究論文を纏めることができた。それらは、ACFEA(Asian Consumer and Family Economics Association)やACCI(American Council on Consumer Interests)などの国際学会等で公開発表している。また7月には、第8回ACFEA国際学会が日本で初めて開催され、研究代表者はその会長を務めた。本学会を主催するとともに、その内容の一部を『東亜経済研究』特集号(「アジアの消費者と消費社会)として編集した。これにより、アジア諸国における消費生活および消費者の意識と行動についての研究を国際比較の視点から分析できる素地ができたと思っている。このほか、作成中ないし投稿中の論文も幾つかある。 また、次年度の農村地域での調査、および都市部での自家用車の販売や購買に関わる詳細調査の準備も進めており、一部は既に実施している。農村地域での無作為によるサンプル抽出(各調査地域200-300世帯)、都市部での自動車購入の意識調査など具体的な内容やスケジュールの調整を中国側の協力者と行っている。質的に優れたデータを確保するために、問題点などについて検討している。
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