2009 Fiscal Year Annual Research Report
開発途上国の農村部における自助グループ構築による障害者のエンパワメント
Project/Area Number |
20402044
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
高嶺 豊 University of the Ryukyus, 法文学部, 教授 (90363655)
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Keywords | 社会福祉 / 国際協力 / 障害者のエンパワメント / 自助グループ / 貧困削減 |
Research Abstract |
本研究は、南インドのAndhra Yradesh州で展開されている、障害者の自助グループ構築プロジェクトを、3年間に渡って調査し、自助グループ構築による手法が、途上国の障害者のエンパワメント及び貧困削減に効果を上げることが、できるかどうかを調査するのが目的である。そのため当初は、Mahabubnagar地区で展開されでいる世界銀行の融資により実施されているプロジェクトのみを対象に想定していた。 当研究代表は平成20年度現地研究調査を実施した。平成20年度は、現地での情報を収集し、カウンターパートのNGO Commitmentsの代表と世界銀行プロジェクトマネジャーと協議した結果、調査対象グループを小地区連合体数2:1つは、世界銀行プロジェクト、他は、Commitmentsプロジェクトにするよう調整した。このことにより、世銀プロジェクトとCommitmentsプロジェクトの比較が可能になった。その後、現地NGOの協力を得て、Mahabubnagar地区の農村部に入り、当該地区の2つの小地域連合体の事前調査を実施した。その結果、各調査は、州都ハイデラバードにある2つの大学のSocial Work Department(修士課程)の学生10人により平成20年10月実施された。この訪問面接調査結果は、電子データ化し、細密な分析を行っている。 平成21年度は、前年度の量的調査を踏もえて、同じサンプルグループに対し、記述式の質的調査を行った。現在、その結果を分析中である。当年度は、また、中島平和財団の助成金を得て、インドの共同研究者3人を10日間日本に招聘し、本事業の紹介と意義を次の3回のセミナーで発表していただいた:[CBRに関する国際セミナー(東京、2010年2月14日)、世界銀行東京事務所「障害と開発」セミナー、(東京、2月15日)、沖縄ソーシャルワーカー協会セミナー(沖縄、2月20日)]。その結果、本研究のテーマである、自助グループ構築による、農村部の障害者のエンパワメントと貧困削減が、100人以上の開発、社会福祉専門家の認知を得ることができた。
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