2010 Fiscal Year Annual Research Report
日米国際結婚家族の家庭秩序と子どもの文化的アイデンティティの構築についての研究
Project/Area Number |
20402052
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
矢吹 理恵 東京都市大学, 環境情報学部, 准教授 (30453947)
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Keywords | 国際結婚 / 家族秩序 / 文化的アイデンティティ / 国際児 / アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
<1 本研究の目的> 日本人とアメリカ人による国際結婚家庭(以下、「日米国際結婚家族」)において、異文化出身同士の夫婦の文化がどのように摺りあわされて、新しい庭秩序が創出されるのか、そしてそのプロセスにおいて個人と家族はどのような心理的発達・変容を遂げるのかを明らかにすることである。対象は、戦後一貫して日本女性の国際結婚の上位を占める、アメリカ人夫と日本人妻の組み合わせの有子の国際結婚家庭である。 <2 平成22年度の調査の目的> 先行研究である日本在住の日米国際結婚家庭の家庭秩序の創出のありかたとプロセスの比較対照として、前年度に引き続き、アメリカ在住の日米国際結婚家族のデータを収集することであった。 <3 平成22年度の調査の内容> アメリカ北西部在住の夫アメリカ人・妻日本人夫婦の日本人妻とその子ども(以下、「国際児」)に対して、出来る限り親子ペアデータを収集した。子どもの年齢は、自らの文化的アイデンティティの構築過程を語れる年齢として、17歳以上とした。 <4 平成22年度の調査の意義と重要性> 親子ペアデータ収集において、特に日本人母親に対するディープインタビューを一人に対して数多く行った。それは、「国際児」の文化的アイデンティティを規定する家庭秩序・居住地域・学校選択には、(1)特に日本人母親が日米両文化に対してどのような立ち位置をとるかが重要であること、(2)(1)が日本人母親の生涯発達過程のどの段階で決定されているかを知ることが重要であると示されたからである。平成22年度の調査の意義としては、老年期にある日本人母親と中年期にある「国際児」のペアデータをディープインタビューによって収集出来たことである。これによって、「国際結婚」により構築された文化が各世代にどのように継承されていくのかを明らかにすること可能である。
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Research Products
(2 results)